耳元で叫んだら・・・
石原都知事が、談志が亡くなる数日前、話をしたと語っていた。面談したのではなく、電話で意識不明の談志に語りかけたのである。クタバレと呼びかけたら、声は出ないが、息づかいが変わったという。声は届いたのである。
意識不明の状態であっても、耳だけは聞こえていることが多い。だから耳元で呼びかければ、それに反応することはよくあることだそうだ。
精神科医の中井久夫氏が耳元で話しかけることの大切さを説いていた。なんという著作だったか思い出せないが、こんなエピソードである。
義兄だったと思うが脳梗塞だかで倒れ、意識不明となった。病院に駆けつけ、医師の了解を得て、耳元で呼びかけた。患者は返事をしない。口を開いたり声をあげたりするのはすごいエネルギーがいるので無理。「聞こえたら、まばたきをせよ」と言うとマバタキをする。聞こえているのだ。そして足の裏をくすぐる。耳元でささやき、もう一人の人が足の裏をくすぐること小一時間。やがて患者の意識が少しずつ戻ってきた。奇跡の回復である。足の裏は第二の心臓といわれるが、心臓につながっているなら脳神経と直接つながっている(かもしれない)ので、ここを刺激することは意味あることなのだ。
いい加減な記憶で書いているので細部は違っているかもしれないけど、大筋、そんな内容だった。この知識、憶えておいても損ではない。
私の近辺で起きた実際の話を紹介しておく。
九十何歳かの老人が倒れた。意識はない。家族は必死に耳元で叫んだ。「おばあちゃん、私よ。わかる? ○○子よ」
おばあちゃんは反応した。「うるさい!」と叫んだ。
いくら意識不明とはいえ、耳元で大声でやられたら、そりゃうるさく感じるだろうね。
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