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2011年12月15日 (木)

来春、真打に。こしら・一之輔

こしら一之輔 ほぼ月刊 ニッポンの話芸」という落語会がある。ほぼ毎月聴きに行っている。今月は13日にあった。立川こしらと春風亭一之輔は二つ目で、偶然であるが、来春真打ち(こしらは内定とも仮免ともいわれる)になることが決まった。

この落語会は、50分ずつ時間が与えられ、何をやってもよい。マクラと落語を一席か二席やる。そのあと評論家の広瀬和生さんとのトークで構成されている。

9月14日のトークがおもしろかった。こしらは「真打ちトライアル」(志らく門下の4人の真打候補が落語をやり、客と師匠の投票で競う。何回か行なって、10月末の結果で師匠が判断するというツアー方式の選定会)の真っ最中だった。一方、一之輔は年齢も若く、普通なら真打になるのは4~5年先になるが、その技量から数年早くなると噂されていた。そのトークで、こしらは「一緒に真打になろうぜ! 一之輔さん、なりましょうよ」などと叫んでいた。ところが翌15日、一之輔の真打昇進が落語協会で決まった。一之輔は師匠からの連絡ではなくツイッタ―で知ったという。こしらは先を越されてしまったのだ。

で、翌月の落語会(10月13日)のトーク。「一之輔さん、ずるいよ、知ってたんでしょ。恥かいたじゃないですか」。まあ、その気持ちわかる。

その日、こしらは「三軒長屋」をやったのだが、なにをやっているのかさっぱりわからなかった。最後になって、ひょっとして「三軒長屋」と思うぐらい飛んでいて、デキもわるかった。先を越されたことと、10月末の最後のトライアルへのプレッシャーがあったのだと思う。

二人をご存じない方にちょっと紹介しておく。

立川こしらは、志らくの弟子、談志の孫弟子になる。落語ははっきり言って、へたくそ。前座並み。しかし、マクラやトークは抜群におもしろい。いじられキャラ。林家正蔵(こぶ平)と立ち位置が似ている。だから誰にも好かれる。ファンは多い。将来、ブレークして爆笑王と呼ばれるかもしれない。広瀬和生いわく「立川流の秘密兵器」。

春風亭一之輔。落語のうまさでは定評がある。歯切れのいいテンポがなにより心地よいのだ。これもはっきり言うが、「笑点」に出ているメンバーよりうまい。将来落語界を背負ってたつ逸材であることはまちがいない。

12月は、こしらは「鰍沢」をやった。かつて師匠・志らくの前でやったことがあるが、やめとけ、お前は新作をやったほうがいいと言われたそうだ。この噺のオチは「一本のお材木(お題目)で助かった」であるが、身延山の護符とかお題目を唱えるという仕込み(伏線)があって、オチの意味がわかるのだが、それを飛ばして、普通にオチだけで済ませてしまった。えっ! それはないぜ。へたくそ!

一方、一之輔は「富久」。丁寧にきちんとテンポ良く仕上げていた。この噺は雲助師匠に習ったと語っていた。五街道雲助である。雲助は古典噺を丁寧にきちんと演じることでは定評がある。なるほど、雲助流の丁寧さが感じられた。

ということで、トークでは、こしらの「いじられ上手」が光った。会場は爆笑の連続。

来月、1月は17日(火)、成城ホールで開かれる。ぜひ、お出かけいただきたい。おもしろいですよ。

ついでのひとこと

柳家小権太がマクラでこんなことを言っていた。

「ことしの落語界の明るい話題といえば、一之輔さんが21人抜きで真打ちになったことです。すばらしいことです。抜かれた21人の一人が私です」

自虐ネタ。爆笑。

抜かれたとはいえ、小権太は実力がある。真打ちも間近である。

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