SWAファイナルに行ってきた
国語辞典の続きのつもりだったが、急きょ(というほどのことでもないけれど)、落語の話題にした。
きのう「SWAファイナル」(11月28日から12月4日)に行ってきた。
SWAとは、林家彦いち、柳家喬太郎、三遊亭白鳥、春風亭昇太という人気落語家が創作落語を演じるユニットで、創作・話芸・アソシエーションの略である。8年間にわたる活動がうまくいったかどうかはともかくとして、一応終わらせるというのだ。その最終公演、これは聴かなくてはいけない。下北沢の本多劇場まで行ってきた。
観客は圧倒的に若い人が多い。落語会というと熟年というか後期高齢者が多いが、喬太郎とか昇太となると若い女性が目立つ。
ネタ下ろし(書き下ろし)の日もあるが、今回聴いたのは旧ネタを改作した「新ブレンドストーリー」。4人のもちネタを一つに連作物語にアレンジしたものである。ということで、それぞれマクラはなくて、いきなり本編に入る。つまり昇太なら独身ネタはやらない。
設定は、12月らしくクリスマスイブ。三姉妹の物語である。
まず、彦いちは「青畳の女」。長女トモエは柔道選手、オリンピックの選考会で負けてしまうという話。舞台で座布団を相手に巴投げをするシーンが一番うけた。
つづいて喬太郎。「想い出芝居」。二女のサナエが去年のクリスマスイブを過ごしたコースを再現した後、ボーイフレンドと別れろという話。コースは、情熱ホルモンとかいう焼肉屋からカラオケに。ここで歌うのが、「ウルトラマン」「てなもんや三度笠」「ほんだら節」そして「これが男の生きる道」。なんていう選曲だ! 植木等だ。狭い通路(ビルとビルの間の隙間)でのキスシーン。これがバカ受けだった。
休憩後は、白鳥が「砂漠のバー 止まり木」。タクラマカン砂漠の食堂とバーが舞台。どうしてそんな遠くなの?となるが、細かいことはどうでもよい。ここの店のマスターが長女トモエから逃げ出した亭主だったという設定。サナエをサユリと言い間違える。しかしそれをギャグで丸めこんでしまうのも芸のうちか。
最後が昇太の「パパは黒人」。三女キミエ(だったと思う)がデート相手がいなくて、父親に相手になってもらう。デート相手は黒人という設定だから、父親は靴墨を顔に塗ることになる。あいかわらずバカらしい。
ということで、爆笑ネタの連続技に酔いしれたひとときだった。
誰がいちばんうけたか。しいて順番をつけるとすると、喬太郎、昇太、彦いち、白鳥の順か。二位と三位に差はない。とびぬけて喬太郎が面白かった。
この8年でSWAのメンバーは成長した。人気度もアップした。これがファイナルというのは成長した証でもある。
4人のユニットでは窮屈になってきたということだ。それぞれがいろいろな場で創作落語をやればよい。
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