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2011年12月17日 (土)

サラリーマン根性とはイエス・バット

 

 「浮世のことは笑うしかない」とは山本夏彦翁のことばである。わが放心流もそれをなぞって浮世のことは笑ってすまそうと思っている。しかし辛抱がたりない。世事についてなにかと言いたくなる。たまには、浮世のことに屁をひりかけてやりたくなる。たまにはである。

 オリンパスの不祥事をめぐって第三者委員会が調査の報告をした。6日のことである。報告書は隠ぺいが続いてきた背景に「悪い意味でのサラリーマン根性」云々と表現していた。違和感がある。

サラリーマンに対して失礼ではないか。「悪い意味での」と断っているが、この委員会はサラリーマンを侮辱していることはまちがいない。

新明解国語辞典(第七版)で「運用」(使い方)として次のように解説している。

「サラリーマン根性」などの形で、定期的な収入を得て安定した生活をすることを第一として仕事に情熱や意欲を持とうとしない、サラリーマンの陥りがちな人生態度を、非難や皮肉の気持ちを込めて言うことがある。

情熱や意欲を持とうとしないけど、不正行為に加担するとまでは書いてない。オリンパスの例では、取締役だけでなく、財務担当者が直接関与していないと経理処理はできない。社員も不正行為に加担していたのである。

「トップがワンマン体制を敷き、異論を唱えるのがはばかられる雰囲気が醸成されていた」とある。確かにトップに異を唱えるのは難しい。しかし、やりようはある。

 サラリーマンならノーと言うことはできないだろう。それは認める。だとすれば「はい、わかりました」とか「承知しました」と答える。で、やらない。ぐずぐず引き延ばす手はある。しかし現実にはそうもいかないだろう。

 次の方法。「はい、わかりました。いい方法はないか、早速、公認会計士(あるいは弁護士)と相談してみます」と答える。その後「難しいということでした。コンプライアンスの点から絶対ダメだとも言われました。さらりと特損処理をしたらどうかということでした」などと答えればよい。

経営陣はコンプライアンスということばに弱い。コンプライアンスはサラリーマンの守り神である。いわば逆黄門さまの印籠である。これを使うのがベストな選択なのだ。

 相談先に証券会社を選んではならない。証券会社を悪く言うわけではないが、一部には飛ばしだの損失隠しなど得意な証券会社もある。悪い意味での株屋の伝統を引きずっている証券会社(投資顧問会社を含む)もある。

*悪い意味での株屋、という表現を使ってみた。近頃、株屋なんていう呼び方を聞かなくなったけど、どうしてなんだろう。

*減損会計が施行される頃、あれはどのぐらい前だったか、オリンパスの関係者はどんな動きをしたのだろうか。詳細を知りたい。 

 大王製紙もしかりである。トップから借入要求があれば、「はい、わかりました。取締役会規則があるので、いま、返事することはできませんが、直ちに臨時取締役会を開催し、融資について付議し、承認が取れるよう手続きいたします」と答えるのだ。相手は嫌な顔をするかもしれないが、「何事もコンプライアンス、法令に則りやりませんと、ご本体(大王製紙やオーナー)にご迷惑をおかけすることになりますので、ご了承のほどお願い申し上げます」とやればよい。

 つまりのらりくらりである。

 のらりくらりやるうちに、自身のやっていることがとんでもないことだと自覚するはずだ。

 それでも、自覚しないのなら、最後の手段として、内部告発という手がある。匿名で、事実を漏らすのだ。それがサラリーマン根性である。隠ぺいや不正に加担するのは、サラリーマン根性とは別のものだ。

 それで左遷されたり干されたらどうするのかとお思いの方もいらっしゃると思う。

いいではないか。そうなったら、あきらめるしかない。むろん、不正に加担するという悪魔の選択もある。倫理観の線引きをどこに置くかという個人的な問題であるけれど、やめておきな、と言いたい。不正が発覚せず何事もなくサラリーマン人生を終えるということもあるかもしれない。しかし、罪悪感は残る。精神によくない。やめておいたほうがよい。

そんなことをしなくたって出世するヤツは出世する。イエス、バットでうまく立ちまわるのが、サラリーマン根性である。

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