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2012年1月25日 (水)

 裏金はこうしてつくる。

前日の続き。小沢さんに渡った裏金は、水谷建設が出所である。どのように渡ったのか。

かねてより、裏金ってどうやってつくるのか、たいへん興味があった。

会社は会計監査があり税務調査もある。多少の裏金ならできるだろうが、億という大金は難しい。裏金ができても、いずればれるような会計処理になっているはずで、完全犯罪のようにはいかない。

『沈まぬ太陽』には、大量の株主優待航空券を安売りチケット屋で換金するシーンがある。それが政治家への裏金となる。そういう手があったのかと知った。

今回のダム建設にからむ裏金作りの詳細は『泥のカネ』(森功著)に載っている。水谷建設の元会長が書いた本である。ゼネコンの下請けというポジションなのになぜ水谷元会長が政商と呼ばれるようになったか疑問だったが、なるほどそういうことかと氷解した。

ゼネコンが直接、政治家に金を渡すことはできない。たとえ裏金であってもばれる危険性がある。政治献金でも賄賂性を疑われるから、直接には手を下さない。

まず、下請けに代金に上乗せして支払う。念を入れ下請けの下請けに回す場合もある。その金額が費用として異常に高くなければなんら問題はない。

 こうして下請けである水谷建設に資金はプールされる。水谷建設は建機(ブルドーザーなど)を何千台と所有している。それを数年で海外に下取りにだす。新品同様、セコハンでも手入れもいいから高く売れる。さらに裏金分を海外業者に上乗せする。売却損は出るが、業績がよければ十分吸収できる。中小企業なら特別償却の特典もあるので、これを使えば帳簿上は売却益が出る。

*資本金一億円未満の企業には早期償却の特典があった。水谷建設はそれにあたる。今もこの特典があるかどうかは知らないけど、実際の売却損は帳簿上の売却益と相殺されるので、水谷建設の経営数値に異常さはでない。

 海外取引は捕捉が難しいので税務署も追及できない。海外に渡った資金は手数料(海外の取引先の取り分)を差っ引いて、水谷建設に戻る。こうしてマネーロンダリングされる。さらに念を入れマカオで賭博をしたことにする。何回かに分け、この金を鞄に詰め、マカオから日本に持ち帰れば、まっさらになる。税関で見つかっても、博打で儲けたと言えばよい。これが裏金として大物政治家にわたるのだ。

フムフム、こうして裏金をつくっていたのかと感心する。

 ついでのひとこと

 以上のことは、新聞やテレビにはほとんど採りあげられてこなかった。なぜ?

 ちょっと取材すればわかりそうだし、後追い取材でもあらたな事実が出てくるに違いない。それとも自主規制でもあるのかだろうか。

 メディアによる自主規制、あるは一方的な取材と宣伝活動については、ちょっと浮かんだことがある。あらためて書いてみたい。

さらにひとこと

 けやきさん、コメントありがとう。政治家には資金は必要です。しかし資金を集めるのに怪しいところからの献金はヤバイと思わないといけない。そういう感覚が大切なのではないでしょうか。

献金にせよ支援にせよ、 贈り物には呪いが込められている、のだから。

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コメント

まあ政治家は利権に近いところにいるわけだから、身辺に気をつけなければいけないでしょうね。官僚たちは天下り、わたりを繰り返して、合法的に数億円を懐に入れますが、政治家はその官僚に身辺を調べ上げられ、官僚のさじ加減でマスコミにリークされたり、検察に捜査されたりするわけですから。それよりもでたらめな財政運営で1000兆円もの借金を積み上げ、円高だとか叫んでやたらに米国債を買い、数十兆円もの損失を出しているというでたらめが、まかり通っていることのほうが、数万倍も深刻です。

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