祝・真打昇進! ニッポンの話芸 こしら一之輔二人会
二か月ぶりに「こしら一之輔二人会」に行ってきた。
立川こしらは、マクラは短め。噺は伴蔵という大具が頼まれて病弱の若旦那の話相手になるというのが発端。これが最後になり、妙な祈祷師が登場し、お札を貼る。で、お札はがしらしいエピソードもあって、ひょっとすると牡丹灯籠? いやそうでもあるまいと思っていたら、こしら流「お札はがし」だった、らしい。だからといって、聴けない、出来の悪い噺というわけではなかった。
春風亭一之輔は二席、「鈴ケ森」と「初天神」。「初天神」には感心した。「初天神」は軽い噺で、柳家喬太郎バージョンが気にいっている。とぼけた感じがいい。これに対し、一之輔バージョンは、親子での突っ込み合戦になる。これがスピード感があるのだ。評論家の広瀬和生さんが一之輔を「王道の中の型破り」と称しているが、まさにそうで、どつき漫才のようなテンポがすごい。このテンポとハリのある声が一之輔の持ち味である。
一之輔の真打昇進披露興行は着々と準備が進められ、3月21日、鈴本演芸場からスタートする。50日間の長丁場で、一人昇進だから、考えただけでも大変な披露興行だと想像される。高座だけでなく、夜の付き合いもあるはずだ。小三治もどこかで登場するとのことで、しばらくは話題になる。
一方、こしらはどうなるかわからない。談志の逝去で立川流の行方が決まってから、披露ということになるだろうが、こちらは志ら乃と二人昇進だから、志ら乃に任せておけばいい。本人もそのようで、お気楽である。4月には、同じ成城ホールで「志らく・こしら二人会」がある。
ついでのひとこと
一之輔の「鈴ケ森」はニコニコ動画でも聴くことができる。ちょっと短め。音声はよくないけど、只だからしょうがないか。
志らく・こしらの会のチケットは先行発売(抽選)でゲットできた。「志の輔アッパレPLUS」と「談春のアナザワールド」ははずれた。クソっ!
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