震災一周忌・・・・馬場あき子「災害にうたう」
きょうは震災一周忌である。
テレビをつければ、識者やキャスターがしたり顔で復興の遅れを憂えるという姿で登場することだろう。そんなテレビ番組とはつきあいたくないので外出した。
午前中は「シャーロック・ホームズ シャドー・ゲーム」を観た。ガイ・リッチー監督だから、短いカット割りの連続、目まぐるしい映画だろうと思っていたが、そのとおりだった。それ以上だった。画面展開があまりにも速くて、ストーリーはさっぱりわからない。後半に入り、ようやく物語の展開が読めてきて、ああそうか、軍需企業の陰謀ということね、となった。
午後からは、馬場あき子さんのトークショー(講座?)に行った。チケットを買っていなかったので、満員札止めになっているかもしれないと会場に行ったのだが、大丈夫だった。
馬場あき子さんは、麻生区にお住まいの歌人。朝日歌壇(朝日新聞)の選者でもある。
テーマは「災害にうたう」。大震災の中から詠まれた短歌をとりあげ、どう生きていくかを語るという内容である。
わたしは、短歌などほとんど詠まないけど、新聞の歌壇は眼をとおす。ざっとだが。その中で、印象に残る歌は、しばし復唱し、作者の名を憶えるようにしている。しかし名はすぐ忘れてしまう。短歌とはその程度のかかわりしかない。
馬場さんの解説になるほどと思ったが、それ以上に、その声の張りには感心した。1928年生まれというから八十も半ば。とてもそんな歳には見えない。
ごちゃごちゃ書いてもつまない。印象に残った短歌を記しておく。
記者らみな「瓦礫」と書くに 「オモイデ」とルビ振りながら読む人もいる (久喜 児玉正宏)
馬場さんの一首も記しておく
人の臭いは瓦礫にも海にも腐(ク)えたりとも紛れずといふあはれ寒しも
匂いではなく、臭いを歌った短歌や俳句は少ない。視覚や聴覚にうったえる媒体は多いが、臭いを伝えるのは難しい。そんな中の一首である。
ついでのひとこと
朝日歌壇では、毎週四〇〇〇通もの投稿があるそうだ。四〇〇〇! である。紙上に載るのはほんのわずか。俳句はもっと多いのかもしれない。だからというわけではないが、わたしは、路地裏に細々と生息する都々逸(どどいつ)に引かれる。ふたたび七七七五に挑戦しようかとも思っている。
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