「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
ケネディが大統領だった今から半世紀ほど前の物語である。舞台は、黒人差別が色濃く残るミシシッピーのジャクソン。作家志望のスキータ(エマ・ストーン)は大学を卒業し、故郷に戻ってくる。会いたかった黒人のメイドは解雇されていた。母親以上に面倒をみてくれたメイドだった。
この町では家事の多くは低賃金で雇われた黒人女性がこなしていた。白人の婦人たちは閑に任せティーパーティなどに興じていた。歴然とした差別があり、家でもトイレを別にするような状態だった。
スキ―タは、黒人メイドの実態を明らかにすべく取材をしようとするが、報復を恐れるメイドたちは口を開こうとはしなかった。ようやく二人のメイドがインタビューに応じることになる。
黒人差別問題を採りあげた映画だが、声高に差別撤廃を叫んではいない。メイドたちが家事を淡々とこなす姿を描く。家事の苦手な女性を手助けしたり、育児に心を注ぐ。その一方で、白人有閑マダムたちのおバカさんぶりを映し出す。差別意識、嫉妬、家事に対する劣等感・・・・。このあたりの対比が面白い。ただし、途中だれる。上映時間は二時間半。ちょっと長い。
黒人二人は好演技。スキータ役のエマ・ストーンもいい。二コール・キッドマンに似た美人である。
サブタイトルの「心がつなぐストーリー」というのは、ちょっとベタベタしている。やめてもらいたい。
ついでにツイスト
挿入歌で「ツイスト・アゲイン」が流れる。懐かしい歌である。そうか、60年代はアメリカン・ポップスが流行っていたオールデイズの時代でもある。この曲、好き!
正確には LET‘S TWIST AGAIN。途中、次のような掛声が入る。
Is it a bird? No! Is it a plane? No!
Is it the Twister? Yeah!
鳥だ! 飛行機だ! ツイスターだ!
テレビドラマ「スパーマン」の常套句のもじりなんだが、このあたりは高齢の人しかわからないだろうな。
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