なにかお悩みでも?
家電ショップで九八〇円のものを選んでいたら、若い店員から声をかけられた。
「なにかお悩みでも・・・」
意外な問いかけに、つい反応してしまった。
「悩んではいない。どの色にしようかちょっと迷っているだけ」
悩んでいるとは大袈裟な。それともわたしの選んでいる姿が深刻に悩んでいるように映ったのか。金のないジジイが買うべきか買わざるべきか悩んでいるように、である。失礼な!
この店の接客マニュアルの用語のなかに、こういうお悩み表現があるのかもしれない。
「わからないことがございましたら、お気軽に声をかけてください」
このていどでいいのにね。
つぎも実例。
衣料品売り場で20パーセント値引きのPOP広告が出ているシャツがあった。じゃあ買おうと品物をレジに持っていたところポスレジの表示は値引き前の値段を示した。で、「20パーセント引きの表示がしてあったんだけど」と言うと、店員は慌てて売り場に行って確かめ、さらに上司と思われる店員を呼んだ。この上司も慌てて奥に走っていった。
なかなか出てこない。「今日は買わなくてもいいです。また来ます」と言うと、しばらくお待ちくださいとの返事。
ちょっとイライラしてしまった。やがて店員がでてきて「20パーセント引きにさせていただきます」と言う。
これに反応してしまった。「させていただきますじゃないでしょ。プライス表示を間違えておりましたでしょ」。まあ、それほど言うこともないが、まけてやるという意味が込められているようで嫌な気分になったのだ。
病院での定期的な血液検査。
シャツを巻くって腕を出す際、看護士さんが「腕を、反対の手で巻くってください」と言った。
言わなきゃいいのに、「同じ手では巻くれませんよね」とひょうきんに答えてしまった。
看護士さん、「そうですね」と言って注射針を刺した。いつもより荒っぽいように感じた。
ということで、ジジイはうるさい。
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