談春独演会 大ホールは満員
一昨日の志らく一門会に続いて、昨夜は談春独演会に行ってきた。
千人収容できる大ホールは満員。さすが談春である。発売初日に並んだお陰で、前の見やすい席で観ることができた。
開口一番(前座の軽い噺)は無し。その代わり二つ目に昇進した立川こはると春吾(春太改め)が挨拶したあと、ただちに談春が登場。演目は「真田小僧」。親からうまいことを言って金をせびると言う前座噺である。手慣れたものだ。
つづいて「野ざらし」。解説は必要ないほど有名な噺である。三代目柳好が完成形にし、師匠談志も得意とした。釣り竿をハチャメチャに振り回すという爆笑ネタだから、誰がやっても面白いのだけれど、そこまでもっていくのが芸のみせどころ。けっこうでした。
中入り後は「百川」。料亭・百川で働くことになった田舎者が二階の客に呼ばれる。「シジンケ(主人家)のカカエニン(抱え人)」と言うと、客の連中は「四神剣(シジンケン)の掛け合い人」と勘違いしてしまう。連中は去年祭りで使った四神剣を質に入れ呑んでしまった。祭りが近づきその四神剣を隣町に返さなくてはいけないと相談していたところなので、聞き違えてしまったのだ。その後も聞き違いが続き、ドタバタ劇となる滑稽噺である。
談春はいつものようにオーソドックスに(本寸法という)演じた。談春の噺がすぐれているのは、オーソドックスに演じても、聴き飽きさせない技術を身にしていることだ。しゃべりの間がいい。テンポがなにより心地よいのだ。このテンポのよさは談志を超えている。志ん朝の域に達していると思うが、どうだろうか。異論もあろうが。
ひとつ注文をつけると、四神剣の意味がわからないので、説明したほうがよい。マクラで説明してくれる噺家もいる。たとえば談笑。
四神剣は四神旗ともいわれ、風水でいう四神、つまり青龍、白虎、朱雀、玄武を祀る旗で、祭りなどで立てられるものだ。それはいいのだが、そんなものが質草になるのかと疑問に思うが、まあ、フィクションだから、そんなことはどうでもいいか。
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