膝詰め談判は、ダイレクト・ネゴシエーションズ
たまには、新明解ネタ。
新明解国語辞典で「ひざ」(膝)を引くと、次のようになっている。
(一)ももとすねが続く関節の部分の前面。
(二)(すわった時の)ももの上側。
「―を抱える/―を崩す〔=楽な姿勢ですわる〕/―を打つ〔=感心した時にする動作〕/―を進める〔=(a)すわったまま相手に近づく。(b)話に夢中になって、前に進み出る〕/―を交える〔=互いに近寄って、親しく話し合う様子〕/―を屈する〔=敵対していた相手に降参する〕/―突き合わせて語り合う/―が笑う〔=
(二)の、ももの上側?
ふつう(一)の意味しか考えない。用例として、膝をくずすとか、膝を打つはわかる。しかしそれが肉体的な関節部分である膝しか思いつかないが、その上部、具体的には「もも」もあるのだ。なるほど。
ここには用例としてないが、「膝の上に乗せる」といった場合の姿を想像していただきたい。文字どおりの膝の上ではない。大腿部に乗せる。それを膝の上と日本語では表現する。で、(二)の語釈になる。的確である。
英語では、ひざはKnee、ももはLapである。たとえば、赤ん坊を膝の上に乗せるは、
hold on one‘s lap となる。ももの上部である。
ならば膝詰め談判とか、膝を交えてとか、膝をくずしてとかは、どう表現するか。英語らしい表現は、となると、わたしには手が負えない。
膝を交えては、intimat を用いるのか。
膝をくずしては、rilax を用いるのか。
英和辞典を引いてみた。
膝を交えては、heart-to-heart talk、 膝をくずすは、relaxも用例にでていたが、comfortable もある。まあ、そうか。
膝詰め談判の用例はなかった。これはいかようにも表現できる(と思う)。
direct negotiations となるのか。
文字通り、膝の上にお尻を乗せると、痛い。
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