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2012年6月 9日 (土)

「外事警察 その男に騙されるな」

「外事警察 その男に騙されるな」を観た。

 ふつうならこの手の映画は観ない。概してつまらないものが多い。こけおどしのストーリーと相場が決まっているからだ。映画評もちょうちん記事が多い。

 しかし、観る気になったのは、予告編で田中泯が出演しているのを知ったからだ。田中泯が出ている。ならば見逃すわけにはいかない。

 田中泯を知らない人もいるだろうから、ちょっと説明しておく。田中泯は舞踊家である。ときどき映画に俳優として出る。山田洋次監督の最初の時代劇「たそがれ清兵衛」では、ラスト近く、清兵衛が対決する立てこもる剣客を演じた。といえばご記憶の人も多いだろう。低い響く声、鮮やかな立ち回りを演じた。なんとも存在感あふれる演技であった。

 その泯さんが「外事警察」では、同じように主人公の敵役となる。在日朝鮮人だったが、妻子を置き、半島にわたって核兵器開発のリーダーとなる。

 

物語は、韓国でウランが盗まれるところから始まる。日本国内では小型核兵器開発に関わる情報が大学から盗まれる。核爆弾がつくられ、北やテロリストにわたるおそれがある。警視庁公安や韓国の秘密警察も開発を阻止すべく犯人グループの追及を開始する。

 在日問題、親子の絆、冷徹な組織、おとり捜査といったことを織り交ぜていく。予想に反し、ドンパチの場面は少なかった。

 田中泯であるが、これほど出番が多い役とは思わなかった。余命幾ばくもない身で韓国にいる。残した妻子と会いたくないかと誘われ日本に戻ってくる。低くよく響く声、白髪、刻まれたしわは重労働に耐えた農民を思わせる。そこに親子の情愛を絡ませる。これに、開発の鍵をにぎる闇グループの在日朝鮮人の妻となっている女(これにも子供がいる)が絡む。

 渡部篤郎の公安部外事科の刑事は線が細い。目的のためなら手段をえらばぬ冷徹なキャラクターだが、渡部篤郎には似合わない。その分、田中泯の存在感が引立つ。

 映画としては普通の出来。でも、田中泯の演技や風貌を観るだけでも価値がある。ほんとうのイケメンとはこういう男のことだ。

 ついでのひとこと

 この八月、紀ノ国屋ホールで、柳家喬太郎と田中泯のコラボがある。テーマはグリム童話の「死神」。どんな中身になるのか、喬太郎は古典噺の「死神」を演るのは当然として、泯さんはなにを舞うのか。

 とりあえずチケットだけは確保した。

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