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2012年6月26日 (火)

こしら一之輔二人会  やっさおどりってなんだ。

 

 「こしら一之輔 ほぼ月刊ニッポンの話芸」(成城ホール)に行ってきた。

一年前に始まったこの二人会は、「ほぼ月刊」としては今回が最終回となる。この間、ふたりそろって真打になるというのはなんとも慶ばしいことであった。

五十日に及ぶ「真打昇進披露興行」を無事終えた春風亭一之輔はさぞやほっとしたことであろう。ここちよい疲労と余裕、それが芸に出るのではないかと期待する。

評論家の広瀬さんの記事によると、披露興行でやった演目は、粗忽の釘、百川、藪入り、茶の湯、明烏、花見の仇討、子は鎹、あくび指南、不動坊、長屋の花見、竹の水仙、らくだ、初天神、雛鍔、くしゃみ講釈、短命、鈴ヶ森、蛙茶番、代脈、青菜、大山詣り、鰻の幇間、へっつい幽霊、五人廻し、などだそうだ。

 半分ぐらいしか聴いていない。この中では「くしゃみ講釈」を聴いてみたい。この噺は柳家権太楼のものが一番いいと思っている。一之輔ならどう演じるのか、権太楼を越えるというより、一之輔らしいボケツッコミと覗きからくりの呼び声を聴いてみたい。

さて、幕開けは立川こしら。

まくらは、新宿の夜、ぶらぶら散歩していたら酔っぱらいの男女に遭遇したという話。俗っぽいテレビドラマのような展開で、笑ってしまう。こしらはまくらが面白い。

演目は「らくだ」。大ネタである。こしらにしてはまともな展開。全体としてはオーソドックスであった。去年にくらべ、ずいぶん成長したように思う。一之輔とのからみで学ぶことも多かったのではないかと勝手に想像する。ただし、オーソドックスは大筋の部分だけで、中身は破格。ふつうなら、嫌われ者のらくだの死体を背負ってかんかんのうを踊るのだが、それをやっさおどりにした。

やっさおどりってなによ? 何でも千葉の東金の夏祭りでは定番の盆踊りソングということだ。これがはっきりいってつまらない踊り。まともすぎる。笑っちゃうけど、成城ホールでは似合わない。東京音頭のほうがおもしろい。オバQ音頭でも電線音頭でもいい。(ちょっと古いか)

「一之輔のような風格は微塵も感じられないこしら」(広瀬さんの言)だが、それがこしら。軽く、いじられキャラこそ、こしらの持ち味である。

 一之輔は「らくだ」をやるつもりだったが、こしらがやったので急遽「茶の湯」をやることになったと断りを入れる。「らくだ」でもよかったのに。この噺は火葬場まで行く途中でサゲとなるが、ふつうはそこまでやらない。最後までやるパターンでもよかったのでは。

「茶の湯」であるが、途中からイリュージョンのような展開となる。この噺、茶の湯を抹茶ではなく青きな粉で代用することになるのだが、それに脱法ハーブを入れたようなはじけた展開となる。いいかどうかはともかく、こしらが乗り移ったような「茶の湯」になる。自分で演じながらも、こしらの毒気(呪い)を感じていたのではないか。これも愉快だった。

「将来の大看板」の一之輔と、「立川流の秘密兵器」(真打の風格が微塵もない)のこしらの成長が楽しみ。ふたりとも人気噺家になることはまちがいない。12月にふたたび二人会が開かれる。こしらの「真打昇進披露興行」もここ成城で12月に開催される。

 楽しみだね。

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