クレージーホース・パリ 夜の宝石たち
遅ればせながら「クレージーホース・パリ 夜の宝石たち」を観た。東京では、文化村・ル・シネマだけの上映。パリのナイトクラブ、クレージーホースを描いたドキュメンタリー映画である。
実際のクレージーホースには行ったことがある。といっても、いまから二十年以上前のこと。中曽根さんから竹下さんに総理大臣が代わるころだ。なぜ時代を記憶しているかというと、とあるレストランで、日本人だと言うと、ウエイターが「オー、ナカソーネ!」と叫んだのを憶えているからだ。
ショーが始まると、いきなり全裸の美女が踊り始めた。ヘアー丸出しにドキッとした。しかし、よく見ると、ヘアーではなかった。毛皮の前貼りだった。ヘアーがあるべき部分を耳当てのような形状の灰色のファーで覆っているのだ。まぎらわしい。なんだ、ドキッとして損したじゃないかと思った。記憶はそれだけ。美女のダンスがどうだったか忘れてしまった。
さて映画であるが、演出家があたらしいショーに取り組みたい、それには改装しなければならない、一時、クレージーホースを閉館にしたいというシーンから始まる。こうした舞台裏のやりとりの合間に、ショーが映し出される。それはそれで美しい。丸いお尻がキュートである。観客には老夫婦が多い。男性だけでなく女性客が多いのがこのクラブの特徴とのことだ。この繰り返しが延々と続き、芝居のようには盛り上がらない。ストーリーもない。ナレーションもない。これが二時間以上もなるので途中眠くなる。
おもしろかったのはオーデションのシーンである。一分ほど自由に舞台で踊る。なかに、いかつい感じの女性もいる。腰のくびれがない。胸も小さい。審査をする側から声が聞こえてくる。性転換者はダメだ。このシーンは笑ってしまった。若いころのカルーセル麻紀なら合格していたかもしれないなどと思う。カルーセルとは古いが、昔はきれいだった。
ということで、きれいなショーだった。いやらしさはなかった。
本当はいやらしいほうが好きなんだけど・・・。アメリカ式のくねくねセクシーに踊るポールダンスのほうがいい。ジジイはそう思う。
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