J・プレス 似合うかもしれない
月一ぐらいか、ときどき日経新聞の最終ページにJ・プレスの広告が載る。広告傑作選と銘打ち、むかしの広告を再掲載している。復刻広告である。先週土曜のそれは1977年、MEN'S CLUBに掲載されたものだ。いま見てもすぐれたコピーである。一連の広告をつくったのは糸井重里であると記憶している。糸井は若い頃から光っていた。
これに影響され、スーツやジャケットはJ・プレスに決めていた。80年代から90年代あたりは、それ以外のブランドを買うことはなかった。ブルックスブラザースやラルフローレンにも目を奪われることはなかった。肩パットなし、胴回りは当時としてはゆるめ、三つボタン(上のボタンは隠れる)、フックベンツ、ズボンはノータック。自分で言うのもなんだが、似合った。それがいつだったか忘れたが、J・プレスはオーセンティックなデザインを捨て、胴の締まったサイドベンツの変えてしまったのである。私にしてみれば裏切りである。離縁した。それ以降、いっさいJ・プレスを買っていない。
サイドベンツは多くの日本人には似合わない。肥桶担いで畦道歩くというDNAがしっかり染み着いた体型にはサイドベンツは滑稽なのだ。スタイルがよろしくないのにサイドベンツを着る連中(政治家に多い。当人は気に入っているのかもしれないが)を見ると、アホかと思う。政治手腕も疑ってしまう。
そんなことはさておき、J・プレスも復刻広告のようにむかしのスタイルを復活させたようだ。J・プレスショップの前を通ったら、昔と同じようなジャケットが展示されていた。むかしのスタイルを懐かしむ顧客も増えたのかもしれない。
冒頭の広告の脇には、ロゴマークの上にしゃれたコピーが載っている。
「あの頃よりも、今のあなたの方が似合うかもしれない」
わたしに向けての広告だと理解した。しゃれている。これも、やっぱり糸井?
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