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2012年10月15日 (月)

 『アイアン・ハウス』  今年のミステリー・ベスト1か?

昔ほど海外ミステリーは読まなくなった。これはすごいという評判のものか特定の作家のものだけ選んで読むようにしている。特定の作家では、ローレンス・ブロック、デニス・ルへイン、そしてジョン・ハートあたり。
 そのジョン・ハートの『アイアン・ハウス』。たぶん今年のベスト1になるのではないかと言われている。ジョン・ハートの作品は家族の絆といったことをテーマにしている。本書もそうであるが、実の兄弟、血の繋がらない親子が物語の軸となっている。
 あらすじを簡単に紹介しておくと、主人公・マイケルは犯罪組織の幹部である。恋人・エレナの妊娠を機に組織を抜けようとする。老いたボス(育ての親でもある)はそれを了解するが、別の幹部やボスの息子はそれを許さない。彼が抜ければ組織はがたがたになってしまうからだ。銃撃戦の末、逃げ出すが、エレナや実の弟であるジュリアンが組織の標的になる。ジュリアンとは孤児院(アイアン・ハウス)で一緒に育った。弟はいじめにあっていた。マイケルは孤児院を抜け出し、ボスに拾われる。一方、ジュリアンは上院議員夫妻の養子となり、いまでは児童書作家となっている。しかし孤児院時代のいじめ被害のせいか精神を病んでいる。上院議員の妻・アビゲイルはそんなジュリアンを溺愛している。
 マイケルはエレナと逃走するが、ジュリアンを守るため、上院議員の家に戻る。そして近くのボートハウスで死体を発見する。昔、ジュリアンをいじめた男だった。犯人は誰か。その近くには周りとの関係を断って暮らしている女がいた。上院議員家族についての情報をもっているようだった。
以上が550ページもあるポケット・ミステリーの200ページあたりまでのこと。あとはお読みいただきたい。文庫でも二分冊で出ている。

 ここで描かれるのは家族である。先に記したように、血の繋がった兄弟(マイケルとジュリアン)、血の繋がらない親子(マイケルとボスの関係、ジュリアンとアビゲイルの関係)が軸となる。恋人のエレナの登場は後半少なくなる。その代わりアビゲイルの出番が多くなり、ジュリアンへの愛情が過多となっていく。そして結末だが、もちろん明かすわけにはいかない。意外な展開となる。新たな血の繋がった兄弟愛が浮上する。すでにお読みになった方は新たな兄弟愛という表現でニヤリとされるかもしれない。

 ということで、ナンバー1候補である。

ついでのひとこと

 もう一冊、『アイアン・ハウス』と競ってベスト1になるかもしれないというミステリーがある。スコット・トゥローの『無罪』である。あの『推定無罪』の続編。いま途中まで読んでいる。

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