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2012年12月 7日 (金)

立川流若手4人の落語会

「NEXT!立川流 独演会見本市」と銘うった落語会に行ってきた。タイトルはよくわからない。要は、立川流の若手4人が、独演会をやるつもりで落語を一席演じるという会である。立川志の春、立川春吾、立川談吉、立川吉笑の4人である。
 立川流には四天王と言われるトップスタ―がいる。志の輔、談春、志らく、談笑。この4人の芸はすごい。金のとれる噺家である。それに続く若手が育っていない。生志、志ら乃がいるじゃなかという意見もあろうが、この4人からは水があいている。さらにその下となると、まだまだである。今回の4人はそのクラスになる。いや、志の春は生志クラスじゃないかという意見もあろう。私もそう思うが、とりあえずはその下のクラスとしておく。このあたりの連中からポンとはじける新鋭が出てくるのを期待したい。ピカピカの生意気な若手が現れてもいい。

まずは、談吉が登場。えっと驚く、紅毛。先だっての談志追善会では黒髪だった。一周忌を経て喪が明けたのか随分派手な髪型にした。草間彌生のヘアーのように染めている。笑っちゃう。
 演目は下谷山崎町が出てくるので「黄金餅」である。このネタは志ん生が得意とした。談志がそれを引き継ぎ、得意ネタとした。下谷山崎町から麻布絶口釜無村の目蓮寺まで西念坊主の遺体を運ぶシーンがある。道中づけといってそこまでの行程を立て板に水のごとく言いたてるのがこの演目の目玉になる。きちんと言えた。ただし、客の対応が悪かった。このことは後で書く。
 この噺はとんでもない内容で矛盾もある。そこを納得できるように仕立てている。談吉って、髪に似合わずまじめだなあと思う。

続いては志の春。期待の星である。前回、新作をやったが、この出来がよかった。なんというタイトルだったか・・・、思いだした。「お父さんの約束」。親子関係を巧みに演じていたのを記憶している。さすが志の輔の弟子である。今回のネタは「だいじなこと」。前回に比べるとちょっともの足りないけれど、しっかりした落語であった。真打も近い。

中入り後は、談吉。入門2年を経ずして二つ目になった。スピード出世である。それだけ実力があるということだが、今回はちょっと混乱した。マクラからうまく本題に入った。しかし、ふたたびマクラに戻ってしまった。ちょっとミス。だからといって慌てない。演目は「カレンダー」。カレンダーの印刷を間違えて、うるう年の2月を28日にしてしまった話である。これが混乱のもとで日付がわからなくなる。師匠・談笑の「薄型テレビ算」(壷算の改作)を彷彿させる。それにしても、吉笑のしゃべり口は師匠に似ている。当然か。

とりは春吾。落語会一のイケメンである。小泉信次郎に似ている。私の席は第一列の真ん真中。春吾の鼻筋がきれいに通っているのがよくわかる。演目は古典噺「化け物使い」。そつなくこなす。でも、ちょっともの足りない。春吾なら、イケメン若旦那な登場するような演目が向いているような気がする。

さて、先ほど後で書くといった、客の対応である。「黄金餅」の道中づけの最後、志ん生はこう続けた。
「麻布絶口釜無村の目蓮寺に着いたときには、ずいぶんみんなくたびれた。(しゃべってる)あたしも、くたびれた」
 ここで、どっと笑いがくる。緊張から弛緩に転換するのを見事に演じた。くたびれた、の代わりに「咬まずに言えた」とやる噺家もいる。このときに笑いと共に拍手するのが観客のマナーである。ところが私のとなりに座っていた男(立川流の若手ファンと思われる。そこそこの落語通らしい)は、目蓮寺あたりで早々と拍手をしてしまったのだ。これはいけない。オーケストラなら、マエストロが指揮棒を止め、下におろすところで拍手をするのがマナーなら、この噺も言いたてて一息入れ、ほっとするところ、あるいは軽いギャグを入れたところで拍手をすべきである。フライングはいけない。演者に拍手はありがたいが、早々やられると演者は困る。談吉もちょっと戸惑ったようだった。
 かけ声も掛けるタイミングが難しいということだ。

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