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2012年12月15日 (土)

名月のような落語家 談志

 本屋を覗いていたら、また談志本が出ていた。『最後の大独演会』『立川談志を聴け―涙がこぼれた「富久」を一生忘れない』『談志歳時記』の三冊が平積みになっていた。
 立川談志が亡くなって一年、いまだ談志ブームが続いている。ふつう著名人が亡くなると、テレビでは追悼番組が流され、翌月の雑誌に特集が組まれ、数ヶ月後に伝記本が出版されて、それで収束となるのだが、談志は違う。異常にもてはやされた。この間、出版された談志関連本は再販を含めれば数十冊になる。談志バブルといってもよい状況である。
 オーソドックスな評伝、家族による内輪話、弟子からみた人物像、評論家による談志論などさまざまである。毛色の変わったところでは快楽亭ブラックの『談志の正体』がある。破門された噺家だけに内容は辛辣、談志はただのしみったれだったという内容である。おもしろいけど、破門の責はブラックにある。弟子の志らくは談志との架空対談・談志降臨を出している。架空とか降臨ってなによ。志らく、オマエは霊媒師か!

冒頭の新刊の『最後の大独演会』は、ビートたけし、太田光と談志のトークをまとめたもの。軽い本である。CDも付いている。でも中身はスカスカだな。『立川談志を聴け―涙がこぼれた「富久」を一生忘れない』は山本益博著。これもスカスカ。「富久」云々はすごいタイトルだけど、なかに掲載されているのは「やかん」の速記録。タイトルと違うじゃん。「富久」ではないのか。で、パラパラめくっただけ。
談志歳時記』は、立川流顧問の吉川潮の著作である。サブタイトルに「名月のような落語家がいた」とある。これが極めつけだろう。読んでみた。内容はすでに知られた言動や語録であるけれど、なんど聴いても面白いのが談志の言動。ということは、談志という落語家自体が古典落語の名作のような人物であったということか。きちんと書かれた作品である。これはお薦め。
 これでおしまいと思いきや、弟子の談四楼の『談志が死んだ』がまもなく出版される。談四楼は「落語もできる小説家」と言われる。能筆である。これが極めつけとなるのか。
 それにしても、バブルやなあ

ついでのひとこと

知らない話あったので紹介しておく。談志がなくなった数日後、最後の直弟子である談吉の二つ目昇進の披露があった。ふつうなら半分程度の客しかこないはずだったが、談志追悼もあり、満員となった。そのとき立川談笑が出演し、「片棒」を演じた。ケチな親父が、もし亡くなったらどんな葬式を出すかと息子三人に問うという噺である。これを談笑は当日だけの新バージョンでやった。父親を談志のものまねで、長男を志らくで池肉林の葬式を提案した。次男は談笑自身がディズニーランドのエレクトリックパレードを提案、そして三男を談吉のまねで、質素な葬式を提案するという設定に変えた。これがバカウケだったそうだ。

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