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2013年3月 6日 (水)

あったか落語 ぬくぬく  肩の力を抜く

きのうは、鯉昇・市馬・兼好の三人会「あったか落語、ぬくぬく」に行ってきた。今回で四回目である。

演目はつぎのとおり。

柳亭市馬    うどん屋

三遊亭兼好  崇徳院

瀧川鯉昇    長屋の花見

おなじみの噺である。

ゆったり堂々と花道を行くのが市馬。底抜けに明るく、ばかばかしいのが兼好。ひょうひょうとして、じんわりおかしみが伝わってくるのが鯉昇。
 毎回、同じようなコメントになるので、切り口を変えてみる。

 市馬はマクラでオリンピック招致の話題に触れた。招致よりも、まず「東京五輪音頭」が歌いたい口ぶりである。そうだろうなあ。市馬は歌詞をしゃべるだけにとどめた。確かに招致が決まれば、「東京五輪音頭」の替え歌か、「新・東京五輪音頭」がつくられるだろう。
「あの日 ローマで ながめた月が きょうは都の空照らす」が「あの日 リオでながめた月が」とちょいと変えれば、それでよい。「四年経ったら また会いましょと かたい約束 夢じゃない」と続く。かたい約束ってもの大袈裟だけど、とやかくいうこともない。

鯉昇の「長屋の花見」は鯉昇流にアレンジされている。物語の骨格は古典噺のままだが、花見に行くまでのエピソードをいくつか盛り込んでいる。店賃を溜めているだけでなく、大家のうちのネコを食べちゃったとか、大家の羽織をくすねたとか、笑わせる。おかしみが遠赤外線のように伝わってくる。肩の力を抜くというテクニックを天性のようにもっている噺家である。天性というのは間違いで、努力の上に花開いたフラ(落語家としての持ち味)なのだと思う。

ついでのひとこと

実は、きょうも鯉昇師匠の独演会に行ってきた。二日連続ね。

演目は、「千早振る」と「御神酒徳利」。いずれも前に聴いた噺で、当ブログにも書いたので内容は省く。前に聴いたから、つまらないということは決してない。細かなところに気づくことがある。あらたな面白みも伝わってくる。
 マクラでオチについて触れていた。わたしのは公務員オチだと。そのこころは、時間がくれば噺の途中でも高座を降りる。
 もうひとつ。鯉昇師匠は先月還暦を迎えた。とても60とは思えない。70ぐらいにみえる。志の輔とは大学で一年先輩後輩の関係。鯉昇の方が先輩になる。

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