インフレターゲット 風が吹けばネコが犠牲になる
日銀の黒田新総裁は「2%の物価目標を達成できるまで、可能な限りあらゆる手段を講じていく」と決意を述べている。これって、やっぱり変じゃないか。
物価があがれば景気がよくなるという幻想を語っているにすぎない。私だって多少の経済学的知識はある。インフレターゲットは目標ではなく、ひとつの指標にしかすぎない。国民の可処分所得が増え、生活がよくなる(楽になる)ということが目標であって、物価はその判断材料となる指標のひとつである。物価は上がりました、生活は苦しくなりましたではなんにもならない。
業績のよい企業が賃金をあげると宣言したり、円安傾向や株式相場の上昇があるので、なんとなくムードがよくなっているのは事実である。景気回復の機運が高まっているから、さしあたってはいいようなものの、実態としてそうなっていくかどうかはまったく不明である。
さらにいえば、日銀の政策(市場に資金を大量に流す)で、景気がよくなるならこんな簡単なことはない。バカでも景気回復ができる。資金はあっても企業が積極的に設備投資をするかどうかはわからない。物価上昇を見越して消費者が財布のひもを緩めてくれるかどうかはわからない。わからない中で、経済政策をすすめるのだから、日銀も政府も慎重にことを進めなければならない。
風が吹けば桶屋がもうかるということわざがあるけれど、物価が上がれば景気がよくなるという保証はない。
まわりまわって景気回復となればよいが、さて・・・。物価目標は達成できました、国民生活は苦しくなりました、などという事態にならないようにしてもらいたいと祈るしかない。杞憂なら幸いである。
風が吹いて桶屋は儲かるかもしれないけれど、その途中で、盲人が増え、ネコが犠牲になるという事実も忘れてはいけない。
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コメント
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アベノミクス(アホノミクスと揶揄する人もいますが)で一番起りそうなのは、スタグフレーションですね。円安でエネルギー、食料などの必需品がどんどん上がる一方、その他は買い控えで景気が悪くなるというわけです。おまけに輸出も、世界景気の悪化で増えるどころか減るかもしれません。次に起りそうなのは、株バブルと利権へのばらまきで景気がよさそうに見せかけ、何が何でも消費税引き上げに持っていこうという筋書きです。そうこうするうちに、マスコミの安倍礼賛で覆い隠されているTPP爆弾が国民の上に炸裂し、日本はグローバル外資の統治下に置かれ、安心な生活なんていうものは夢のまた夢になるかもしれません。原発爆発でただでさえぐちゃぐちゃなのに、いい話はありませんね。
投稿: けやき | 2013年3月24日 (日) 17時28分