一之輔独演会 ザ・ベスト・オブ・一之輔
昨夜は、渋谷に一之輔の独演会に行ってきた。ザ・マウントレーニアホール。ここは昔、確か映画館だった。いまはライブホールとして使われているらしい。そこでの初めての落語会ということである。
ここ数年、一之輔の評価は高まるばかりで、実際、若手噺家のトップランナーとして実力をつけてきている。
落語はボケとツッコミを一人でやる漫才という側面もある。一之輔は、そのボケツッコミのギャグが強烈で切れがいい。とくにボケツッコミが親子となる噺がおもしろい。たとえば「初天神」。子どものほうが妙にクールだったり、減らず口がうまかったり、毒気があったりしておかしい。さらに、周り(客席)に「皆さん、そう思いませんか」などと呼びかけたりして、親をいじる。このタイミングとテンポがいい。
今回は演目が決まっている。「不動坊」「子は鎹」、あと一つは当日のお楽しみとなっている。何をやるのか開演前ちょっと考えてみた。今回の演目は広瀬和生さんが「ザ・ベスト・オブ・一之輔」としてリクエストしたものだそうだ。三席なのにベストとは妙だが、ま、いいか。得意ネタということである。
「青菜」は季節外れだし、「初天神」は「子は鎹」と設定がダブる。そうすると、吉原もので「五人廻し」か、あるいは長屋ものなら「粗忽の釘」あたりか。そんな想定をしてみたのであるが、ハズレ。「茶の湯」だった。なるほど。
今回は「不動坊」の幽霊が観たかった。一之輔の幽霊は怖い。眉と目をくっつけると、凄みの効いた顔になる。フランケンシュタインが化けたような幽霊となる。
怖いのだけれど、不動坊の幽霊は前座の噺家が扮装してやるという設定になっているから、様にならない、こっけいな幽霊となる。「四十九日も過ぎぬのに、嫁入りするとはうらめしい」が「うらやましい」と聞こえるギャグもある。
この幽霊を間近で観たかったのだが、高座からはけっこう離れた座席だったので、表情の細部までは観ることはできなかった。ちょっぴり、その点が残念だった。
落語は小ホールで聴くにかぎる。
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