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2013年6月26日 (水)

 原発はプーヤオなんだろうな

ビンラディン殺害以降、アメリカの中東政策が緩やかになった。そんな気がする。

ちょいと前なら、「胴乱の幸助」のごとく、そのケンカ買った!と、いち早く軍事介入したものだが、風向きは変わってきている。アフガニスタンからの撤退は着々と進めているようだし、シリアにも介入をためらっている。  (注)「胴乱の幸助」とは落語の演目。けんかの仲裁が大好きな男の噺。とりたてて「胴乱の幸助」を持ちだすこともなかったのだが、落語の知識をちょいとひけらかしたかっただけのことである。
 なぜ、アメリカの中東政策が緩やかになったか。財政の崖とやらで軍事費削減が必須になっていることもあるが、理由は別のところにある。中東への関心が薄れてきている。エネルギー問題で原油や天然ガスに神経をつかう必要がなくなってきているのだ。要因はシェールガスである。
 シェールガスの掘削成功により、エネルギーにゆとりができた。石油や天然ガスを輸入しなくてもよいようになったどころか、逆に輸出できるほどになっている。中東の天然ガスや石油、ウチ関係あらへん、というのがホンネではなかろかと愚考する。
 巨大な軍需産業の圧力もあるので、アメリカの軍事介入がなくなるわけではないだろうが、モンロー主義の伝統もある。よほどのことがない限り、エネルギーに絡む中東への介入はないとみる。
 国内では原発の廃炉も進めている。数年前、オバマ大統領はスリーマイル島事故以来初めて原発建設にゴーサインを出したが、シェールガスにより、実際に建設されるかどうかわからないような状況になってきている。
 日本にとってもいいことである。石油や天然ガスにゆとりができれば価格も安定する。円安により原油輸入価格は高騰すると思われたが、為替変動の割には安定している。天然ガスも供給過剰となり、ロシアは、安うしときまっせ、と、ばかりに日本にすり寄ってきている。けっこうなことである。

シェールガス以降、世界のエネルギー事情は大きく変わった。日本の原発稼働にも影響を与える。大飯原発は稼働しているけれど、原発なしでも電力需要を賄えるところまできている。省エネもすすんでいるし、太陽光や風力発電も広がっている。この夏も大丈夫だろう。
 原発推進の理由として発電コストが低いことが挙げられていたが、石油や天然ガスの価格低下でその差は縮まっている。さらに原発の安全コストからみても原発推進の理由は薄らいでいる。
 ただし、電力会社は原発を廃炉にしますとは口が裂けても言わない。企業会計上なんとしてでも緩やかな決算にしたい。廃炉と決め、その設備を特別損失で一挙に滅失すれば債務超過に陥る電力会社もある。だから、再稼働は無理だろうなと心で思いつつも、再稼働したいと言いつづけながら、一方で天然ガスへの転換を図っていくはずだ。それが賢いやり方で、なにがなんでも原発とは考えていないだろう。
 原発の継続を言い続けるのは、廃炉にするから税務上の面倒を見てよとか、なんらかの補助金を引きだそうとするねらいがあるからだ。
 ということで、エネルギー問題にそれほど神経をつかわなくてもよいようになっているというのがわたしの見解だが、いかがだろうか。

 ロシアによる、天然ガスの売りこみ、どれだけ安くなるかであるが、液化天然ガスとして運んでくるより、サハリンあたりで発電して北海道まで送電したほうが低コストになるという説もある。そうかもしれない。

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コメント

昔ドゴール大統領に「彼はトランジスタのセールスマンか」と言われた首相がいたようですが、安倍も外国では全く影が薄く、原発のセールスマンぐらいにしかみられていないかもしれません。まあ東電が福島で爆発させたり、東芝や日立が米国の原発会社を買収したりで、その後始末に走り回っているんでしょうが、一国の首相のすることとは思えません。先日テレビで「ミシシッピ・バーニング」という映画を見ましたが、こういう国と関係を持つと本当に厄介ですね。

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