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2013年6月12日 (水)

 川柳川柳 八十二歳

夕方の会合まで時間があった。映画か落語かの選択。国立演芸場では柳亭市馬がトリ。川柳川柳も出ている。これは落語でしょ、ということで永田町に行った。
 ウィークイーディの昼席である。観客は老人、後期高齢者と見受けられる人が大半だった。こういう客層なら川柳はやりやすい。演目はもちろん「ガーコン」。軍歌をつぎつぎに歌うだけだから、年寄りには向いている。
 ひとり置いた隣の客は、川柳と一緒に軍歌を口ずさむ。年齢は川柳より上と思われる。ちなみに川柳は八十二歳。「加藤隼戦闘隊」も「空の神兵」など、口ずさむというより大きな声で歌う。ちょっとうるさいけど、まあいいか。隣の客(同年齢と思われる)はウトウトというより、グウグウ眠っている。スヤスヤぐらいなら許せるが、いびきとなると耳障りなので、ときどき肩でつついてやった。
 川柳はそれなりに年老いたが声は若い。声量がある。楽しげに歌うことが商売なのだから、けっこうなことである。酒でのしくじりは数知れないが、それを乗り越え、この歳まで高座にたてるというのは幸せな人生である。もっとも妻が認知症で、帰りにはスーパーによって夕食の買い物をしなければならないと語っていた。つらい面もある。

桂才賀の「目黒のさんま」が思いがけずよかった。手慣れた演目ということもあるけれど、観客の心をつかんでいた。それにしても、才賀はいい面構えをしている。悪相である。でも、笑うと愛嬌がある。強面では橘家文左衛門と双璧である。

お目当ての市馬は「小言幸兵衛」。みごとな芸である。ふつうのネタをふつうに演じて、さすがと唸らせるのが市馬の落語である。

中入りのとき、テレビでは見かけない落語家ばかりで、「笑点」のメンバーがいないなどと語っている客がいた。笑点メンバーの落語が聴きたかったようである。寄席などめったに出掛けない人のふつうの意見だろう。笑点メンバーは落語がうまい、おもしろいと思い込んでいる。そうじゃないよと言いたいところだが、つっかかることもあるまい。

落語ブームといわれるが、実態はそうでもない。一部の落語家に熱狂的なファンがいるだけである。「笑点」ブームがながく続いているだけである。
 市馬、権太楼、さん喬、喬太郎をはじめとして、笑点メンバーよりはるかにうまい落語家がいる。もちろん志の輔もそうである。だからといって笑点メンバーを下手だのなどと悪く言うつもりはない。あれはあれで落語会の広告塔としての役割を果たしているのだから。

 ということで、久しぶりに川柳も聴けたし、夜の酒もけっこうでした。

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