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2013年7月31日 (水)

あったか落語、ぬくぬく 5 心地よい笑い

 

昨夜、「あったか落語、ぬくぬく」(成城ホール)に行ってきた。今回が第五回になる。この落語会、たぶん冬場一回だけの企画だったろうが、好評につきということで、四ヶ月ごとに開催されるようになった。夏場に、あったかやぬくぬくもなかろうが、まあ、冷房の効いた部屋で、あつあつのどじょう鍋を囲むようなものか。遠赤外線効果のじんわりあったか落語会である。

演目を紹介しておく。ポピュラーな演目である。

三遊亭兼好・・・宮戸川
瀧川鯉昇・・・・蛇含草
柳亭市馬・・・・らくだ

兼好はいつも明るい。底抜けに明るい。

「宮戸川」は長い噺で、ふつう前半部分だけをやる。軽く、ちょっと色っぽいシーンがある。後半はうってかわって残酷な場面(夢なのだが)もある。だから、あまり演じられない。ライブで後半は聴いたことがない。
 前半だから軽くやるのがふつうなのだが、それにしても兼好の「宮戸川」は軽快で愉快である。本来は爆笑系の噺ではない。ところが、兼好の手になると登場人物はみな軽くなる。娘(お花)はより尻軽となり、叔父さんの早呑み込みぶりもおかしい。これほど笑わせる「宮戸川」を聴いたのは初めてである。

鯉昇は、還暦を迎えたことだし、夏バテしないように力を入れずに演じるとマクラで語る。これはいつもの脱力系のパターン。マクラは、隅田川の花火大会のエピソードでいつもより長め。いつ本筋となるのかと思っていたら、「蛇含草」であった。
 この噺、食べ過ぎてしまう噺である。そばバージョンと餅バージョンがある。そばなら「そば清」という演目になる。今回は餅バージョン。餅を食べ過ぎて、消化薬がわりに蛇含草を飲むというストーリーである。蛇含草はうわばみが消化薬として飲む草である。シュールなオチが用意されている。
 なんといっても餅の食べ方が愉快だった。ここがみどころ。鯉昇がやると、なんともおかしい。ことばでは説明できない。熱演だった。夏バテしないように力を入れずになんてことはない。笑わせてもらった。それにしても鯉昇は先代の金馬に風貌が似てきた。

中入り後の市馬。マクラなしで、いきなり「らくだ」に入った。鯉昇の熱演で時間が押し気味だったから、マクラをとばしたのか。
 この噺、「かんかんのう」を踊るシーンが有名だが、みどころは、小心者のくず屋が乱暴者の半次に酒を飲まされ酔っ払っていく下りである。酒乱と化し、主客転倒。半次は小さくなってしまう。このあたりをじっくりやった。物語は、このあと落合の焼き場まで早桶を運ぶのだが、長い噺なので主客転倒の場面で終えることが多い。今回もそのバージョンだった。

この三人会、あっけらかんとした笑い、ほのぼのとした笑い、からり晴れ上がった笑いと、笑いもさまざまである。共通しているのはあったかいことだ。ぬくぬくした笑い。心地よい落語会であった。
 はねてホールの外にでると、雨はあがっていた。

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