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2013年8月11日 (日)

別冊談笑 はじける談笑ワールド

 

 立川談笑の独演会に行ってきた。北沢タウンホール。今回はあらかじめ演目が発表されている。

ちりとてキン

厩火事

死神

 いずれもポピュラーな演目であるけれど、古典をオーソドックスにやらないのが談笑流である。古典をきちんと名人芸にようにやる談春と大きく違うところだ。どちらがいいというわけではない。個人の好みである。どっちも聴きたいという人もたくさんいるはずだ。

談笑の芸の魅力の一つに、古典噺の論理矛盾やわかりにくさを現代風に組み立てるアレンジ力がある。「改作魂」である。どう展開するかわからないスリリングさも魅力である。

「ちりとてキン」は、もともとは「ちりとてちん」。「酢豆腐」とも言う。知ったかぶりの食通の若旦那に腐った豆腐を食わせる噺である。それを変える。若旦那を山本益博風にする。いかにも訳知りの文化人風な若旦那にする。腐った豆腐にチリパウダー、そしてキンチョールまで混ぜて、とんでもない食べ物にしてしまう。タイトルのキンはキンチョールのキン。これを食するシーンは大爆笑となるが、ことばではどう表現していいかわからない。観てもらうしかない。

「厩火事」は亭主の愛情度を確かめようとする噺である。弟子の不手際で厩を火事で燃やしてしまったときに孔子は愛馬よりも弟子の身を案じたという故事がタイトル。高価な皿を割り、亭主がどんな態度にでるかで愛情を確かめる話だが、これも普通のストーリーとはしない。プロレスの技を繰り出して、妻を殴り、首を締める。舞台の袖から走り、ジャンピングして技をかける。エネルギッシュである。桂枝雀だってそこまでの立ち回りはなかった。これも言葉では表現できない。ライブで観てもらうしかない。

中入りまででかなり時間オーバー。後半は「死神」。この噺、ろうそくがどう消えるかがオチとなる。アジャラカモクレン、テケレッツのパッという呪文がでてくるが、これを最後のオチにもってきた。ふーん。こういうオチもあるのかと感心した。

 それにしても落語会の様子を伝えるのは難しい。ライブで観てくれと言うしかない。今回の落語会は、談笑の中でも特にはじけていた。これぞ談笑ワールド。素晴らしい会であった。

今回は日本テレビの撮影もあったので、よけい張り切っていたのかもしれない。ただし、差別表現や放送禁止用語もいつもより多く入れていた。たとえば、お盆で地方人は田舎に帰省しちゃっているので東北の悪口を言うとか、エッチな小咄を入れるとか。

テレビ局は編集に苦労するのじゃないかな。

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