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2013年8月31日 (土)

 オリンピック最終選考 日本はどう見られているか。

 

あと一週間ほどで2020年のオリンピック開催都市が決まる。東京の優位が伝えられる。断然トップとする見方もある。

 はたしてそうなるだろうか。いささか心配である。前回も優位のはずが、そうはならなかった。ちょいと前、名古屋や大阪がしくじった。根回し不足やライバルの裏工作にやられたなどと理由が並べられた。楽観視していたこともあるだろう。

実のところ理由はよくは分からない。どこかで思い込み違いをしていたことは確かだろう。日本は元々それほど評価されていなかった、アンチジャパンの国が多かったのかもしれない。

 

いま、ジョン・ダワーの『忘却のしかた、記憶のしかた』(岩波書店)を読んでいる。半分ほど読み進んだところである。

ジョン・ダワーはアメリカの歴史学者。現代日本史を専門としている。この本を一口でいえば、アメリカ人は現代日本をどう観ているかを論考したものである。良識に基づいた深い見識が披露されている。なるほど、そうなんだよねと納得させられることが多い。

このところ日本の評判は悪い。歴史認識を巡ってである。靖国、尖閣、従軍慰安婦など、日本攻撃の舌鋒は激しい。

平和にたいする日本の戦後の献身は模範的なものだ。日本政府は、とりわけ中国と韓国にあたえた侵略と苦痛をみとめ、謝罪する多くの公式声明を出してきた。――だが、どんなにこうした反論をしても、ほとんど効き目はなかった。」(ジョン・ダワーの一節)

 老保守政治家が右翼的な発言をすれば、マスコミは大々的にそれを採りあげ、反日キャンペーンに火をつける。結果として、日本の平和への献身は反故にされてしまっている。

 中国や韓国が反日を叫べば、日本の一般的な国民はそれへの嫌悪感を抱く。これだけ平和への貢献をしているのにという思いがあるから、よけい反発が生じる。

 どちらに理があるか。残念ながら、世界は日本に好意的でない。日本は侵略を反省していない、記憶を消し去ろうとしているのではないかという見方が優位になっている。嫌われているのだ。

 以上は、本書の趣旨の一端である。

とやかく言うより、ぜひご一読いただきたい。ジョン・ダワーの深い見識に触れていただきたい。

 

 ということで、逆風の中でのオリンピック最終選考であることをまず認識しておいたほうがよい。

 で、どうなるのだろうか。

 

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