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2013年8月20日 (火)

桂歌丸の「真景累ヶ淵」

 

先週、国立演芸場、八月中席に行ってきた。ユーゴ内戦を書いていたので、ブログのアップが遅れた。お目当ては、歌丸の「真景累ヶ淵 湯灌場~聖天山」である。

ちょいと前にも書いたが、「真景累ヶ淵」で演じられるのは「豊志賀の死」がほとんどで、他の場面が演じられるのはめったにない。だから、歌丸のこの演目はぜひ聴いておきたいと、出かけた次第である。

会場は満員、立ち見も出た。例年、国立演芸場の八月中席は歌丸がトリをとることになっている。何組かの団体も入っていたこともあるが、歌丸の演目にひかれてきた客も多いのだろう。

「真景累ヶ淵」は三遊亭円朝の長い噺である。旗本の深見新左衛門が按摩で金貸しの宋悦を殺すのが発端となる。新左衛門の次男・新吉が軸となり、恨みが殺しを呼び、血縁の因果が連鎖していくストーリーである。
「豊志賀の死」には、宗悦の長女である豊志賀が登場する。豊志賀は、新吉がお久と深い仲になったのを怨み、自ら命を絶つ。遺書には、新吉の嫁を七人まで呪い殺すとあった。

そのあと、新吉には、お久、お累、お賤という女が絡む。

今回の「湯灌場~聖天山」は、歌丸版では全五編のうち四編目にあたる。お賤(シズ)が登場する。名主の惣右衛門の妾である。新吉はお賤と関係をもつ。そのお賤にそそのかされて、惣右衛門を絞殺する。その湯灌の場面で、湯灌を手伝った甚蔵(土手の甚蔵)が惣右衛門の首に絞め痕を見つける。新吉を問い詰め、殺しを自白させる。甚蔵は新吉とお賤を強請る。新吉は、聖天山に金を埋めたと偽り、甚蔵を誘い出す。藤弦を切って甚蔵を崖下に落とすが、甚蔵は死んでいなかった。その夜、戻った甚蔵は新吉に襲いかかる。そこに鉄砲の音。甚蔵は撃たれて死ぬ。さて誰が撃ったのでしょうかという問いかけで、この日は終演となった。

歌丸は風貌とは違って、声にハリがある。もともと滑舌はよい。丁寧にしっかりしゃべるのは「笑点」でもご存じのとおりである。声は大きいが、滑舌が悪く、聴きづらい噺家もいる中で、歳をとっても、言語明瞭なのは貴重である。聴いていても心地よい。歌丸が人気なのはこの声にある。

 

さて、10日興行の前半がここまで、後半の5日間が「お熊の懺悔」となる。この部分は聴いていない。後日、CDで聴いた。

新吉は、今は尼となっているお熊と会う。新吉は、お熊から、お熊はむかし新左衛門の妾で、お賤の母親、つまりお賤の父親が新左衛門であることを知らされる。新吉はお賤の異母兄弟であった。最後は、お賤を殺し、みずからも命を絶つ。これで大団円となる。

なんとも、血が血を呼ぶおどろおどろしい物語である。

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