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2013年9月21日 (土)

「ペーパーボーイ  真夏の引力」 

 

 

 ニコール・キッドマンが出ている。それだけで観てみたい。

 四十年以上前のこと、フロリダで保安官が殺される。殺されてもいいような差別意識の強い凶悪な保安官であった。ヒラリーという男が逮捕されるが、冤罪の疑いがあった。新聞記者のウォードは同僚の黒人記者とともに調査に乗り出す。大学を退学となった弟のジャックもそれを手伝う。

タイトルを見て、新聞配達の少年の映画かと思ったが、そうではなく、新聞記者の話であった。もっとも、ジャックは新聞配達のアルバイトもやっていたので、まちがいではない。紙のようにうすっぺらな少年という意味はない。

 調査にはシャーロット(ニコール・キッドマン)がからむ。不思議な女性で、殺人犯と文通するのを趣味とする女性である。獄中の受刑者とやりとりをするのに熱をあげる女性は日本にもいるが、あれである。テレパシーで容疑者と交流しているかのごとく、面談場面ではエクスタシーに達してしまう。そんなシャーロットにジャックは一目ぼれしてしまう。

 容疑者ヒラリーは保釈される。ヒラリーは強引にシャーロットを犯し、沼の奥にあるヒラリーの家に連れ込む。

  こんな話であるけれど、映画はもっと複雑で、ジャックの過去、兄ウォードの心の奥底、黒人記者の強引な取材などが描かれる。シャーロットの振る舞いは不可解なほど奇怪である。

 肌にまとわりつく湿気、沼地の不気味さ、捌かれるワニの内臓のグロテスクさ、そうしたものが重なり合って、泥沼に足をとられるような日々が描かれる。

 

 暑い夏は終わった。涼しくなった。あの蒸し暑さも過ぎてしまえば記憶も薄らいでいく。この映画を観ると少し蒸し暑さがよみがえってくる。ねっとり肌にまとわりつく湿気も、それほど嫌だという印象は残らない。

 

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