実子騒動を考える
できちゃった婚で生まれた子のDNA検査をしたところ、父親と血のつながりがないことがわかった。父親はそれをマスコミにばらした。
芸能ゴシップには疎いので、渦中の大沢樹生が光GENNJIの元メンバーであることも、その妻(のちに離婚)が喜多嶋舞であることも知らなかった。こういう騒動があると、芸能界の知識も多少増える。喜多嶋舞の母親の内藤洋子のことなら知っている。ルンナである。
実子とばかり思っていたのが、実は父親との血縁がないことはよくある。昔からあったが、血液鑑定法のない時代は真相を確かめるすべはなかった。血液型だのDNA検査ができるようになると、いろいろなことが発覚する。産院での取り違いもあるし、浮気もあるだろう。
サルの世界でも、できた子ザルがボスザルの子でないことはよくあると聞いたことがある。メスザルは隠れてボスザル以外のオスと情を交わし、子をなす。子ザルのDNA鑑定をすると予想以上に婚外子なのだそうだ。知らぬは亭主ばかりなりは人間界だけのことではない。
鮭の産卵シーンがテレビでしばしば放映される。よく見ていると、大きなオス鮭は他のオスが近づかないよう追い払っているが、いざ産卵の瞬間となると、小さな鮭がコバンザメのようにメス鮭に寄り添うようにして精を放っている。受精卵の何割かは小さな鮭のものと思われる。それで多様な遺伝子が引き継がれていくのである。
日本の法律では、できた子の父親は婚姻中の父親の種でできた子とみなしている。民法では、女性は離婚後6か月間は結婚できないとなっている。その間に子が生まれた場合は前夫の子となる。事実はともかくとして、みなすのである。推定実子である。これを改定しようという動きはある。DNA検査ができるようになると6か月ルールもなくなっていくと思われる。時代の流れである。
浮気や実の子をめぐるジョークはむちゃくちゃたくさんある。有名なジョークをひとつ。
娘が母親のところに駆け込んできた。
「ママ、大変なの。実はクリーニング屋の次郎さんとつきあっているんだけど、パパにそれを話したら、あれはいかん、ぜったいやめろと言うの。次郎は実はオレの子で、隠してたけど、おまえとは異母兄弟なんだ、って」
ママはにっこり笑って言った。
「なんだ、そんなことなの。心配ないわよ。実は、おまえはパパの子じゃないから」
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