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2014年1月16日 (木)

 新ニッポンの話芸  こしらの「鼠穴」

 

 この会については何回もとりあげてきたので、ことさら説明することはない。

今回はいつも以上に充実していた。寒さを吹き飛ばす熱気があふれていた。

 演目を紹介しておく。いずれもおなじみの演目である。

 鈴々舎馬るこ  寝床

 三遊亭萬橘   真田小僧

立川こしら   鼠穴

 

とりわけ萬橘がよかったが、こしらの「鼠穴」について触れておきたい。

「鼠穴」は、大師匠・談志の得意ネタである。こしらは「談志を名乗りたい」と宣言しているそうだが、その心意気はよい。暴言と非難する声も出ない。誰もなれるとは思っていないし、こしらがその程度の冗談を言ったところで、誰も文句は言わない。

「鼠穴」がどんな噺か、簡単に紹介しておく。竹次郎は兄を頼って江戸に出てくる。兄は自分で商売をやれと元手を貸してくれた。喜ぶ竹次郎であったが、あらためて中身をみると三文しか入っていなかった。冷たい兄の仕打ちに怒るが、一念発起し、元手ゼロから商売を始める。商才があったのか、商いはうまくいき、立派な商人になることができた。

ある日、竹次郎は三文と利子を持って兄のもとを訪れる。十年ぶりの再会だった。兄は歓迎してくれた。かつて三文しか貸さなかったことの意味を話した。試練の機会を与えたのだった。竹次郎はその深い意味に納得する。その夜は、兄と酒を飲み交わし、兄の家に泊まっていくことになった。ところが夜中、大火が起き、竹次郎の店は焼け、蔵も鼠穴から火が回りってしまう。また一文なしの生活に戻ってしまうことになった。

 前半は、ほぼこの物語に近い筋立てであったが、ここから、こしら流の改作の世界へと入っていく。竹次郎の娘やその子までが登場する。なんだか喬太郎風のトレンディドラマのような展開となる。糸の切れた凧のようで、うまくまとまるかとファンは心配になる。このあたり親心に近い。

この噺は夢だったというオチになるのだが、最後で、本筋に戻る。そこで観客(鼠穴のストーリーを知っている人)からどっと笑いが起きた。ようやく本筋に戻ってくれたかという安堵の笑いである。このあたりはライブで聴いていないと実感できない。

で、オチは、本来は「夢は土蔵(五臓)の疲れ」となるが、こしらのアレンジは「柳の下に土蔵(泥鰌)」であった。なるほど、そうきたか、である。話の中に、柳の木がずいぶんでてきたから、納得できる。アフタートークで、このオチに、馬るこは納得できないと首をかしげていたが・・・。

 江戸の風は感じられないけど、秋葉原の風が感じられた。さらに磨いていってもらいたい。

 

 ついでのひとこと

 小三治がこの6月で落語協会の会長を退くと馬るこが語っていた。次期会長は? となるのだが、わからないのだそうだ。会長の胸一つである。順当なら、市馬あたりか。

 

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