鹿芝居 切られ与三郎
鹿芝居に行ってきた。
鹿芝居とは、噺家がやる芝居。はなしかだから、しゃれて、しか芝居、鹿芝居となる。
噺家には芝居好きが多い。歌舞伎とは縁が深いからね。観るだけではつまらない、自分たちでやってみようということになる。今回の林家正雀は師匠(先代・正蔵)譲りの正統派鹿芝居である。このほか、立川志らくは自分の劇団、劇団名「下町ダニーローズ」をもっている。橘家文左衛門も鹿芝居を主催している。
今回の演目は「与話情浮名横櫛―源氏店」。切られ与三郎の場面である。
前半部分、木更津の場面を林家正雀と金原亭馬生がリレー落語でやって、中入り後が後半の源氏店部分、これを芝居でやる。
切られの与三郎が馬生、お富が正雀、多左衛門が金原亭世之介、蝙蝠安が蝶花楼馬楽といった配役である。
噺家の芝居だからオーソドックスにはやらない。もちろん「いやさ、お富、久しぶりだなァ・・・しがねえ恋の情けが仇」といった名セリフは入るが、そこは鹿芝居である。ギャグをふんだんに盛り込んで笑いを誘う。フレッシュなオリンピックネタもあるけれど、ジェジェジェという鮮度の落ちたネタもある。「台本にないセリフを言わないでよ」というツッコミもあって、演者も観客も楽しめるようなしかけとなっている。
終演後に、観客へのプレゼント、手ぬぐい投げがあった。どういう具合か、こちらにうまく飛んできて、ゲットすることができた。蛙がデザインされた馬生師匠のしゃれた手ぬぐいである。
ラッキー。こいつは春から縁起がいい。
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