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2014年2月 9日 (日)

「ラッシュ/プライドと友情」  賢者は敵から多くを学ぶ

 

 1976年のF1グランプリを描いた映画である。実話ということだけれど、自動車レースについては疎い。レーサー名もアイルトン・セナぐらいしか浮かんでこない。

この年、最終戦までもつれる熾烈な戦いとなったこともこの映画で初めて知った。

ジェームス・ハントとニキ・ラウダの二人。ハントは天才肌のレーサー。酒と女、奔放な生活を送っている。

一方、ラウダは緻密な性格。テクニックに磨きをかける努力タイプ。好対照である。いわば長嶋と野村。わかりやすい構図である。

 ラウダがポイントで先行していたが、ラウダの乗るフェラーリはレース中にクラッシュ。瀕死のけがを負う。肺をやけどするほどの重傷であった。ラウダの復帰は危ぶまれた。

マクラーレンに乗るハントは、ラウダ不在の中、ポイントを稼いでいく。このままいけば、ハントがグランプリを手にする可能性が出てきた。6週間後、ラウダは奇跡的にレースに復帰。4位となり、ポイントを稼ぐ。フェラーリのラウダがわずかにリード。最終戦、富士スピードウェイでの決戦となる。

 わかりやすい。古典的、類型的な対立構造の物語である。しかし、おもしろい。優れた娯楽映画になっている。監督ロン・ハワード(「アポロ13」「バックドラフト」などの監督)の手腕がさえている。

 手に汗を握るような迫力シーンが続くが、それ以上に、ハントとラウダの対比がいい。とくにハントを演じたクリス・ヘムズワードの不良っぽさがいい。ラウダ役のダニエル・ブリュールがいいという人もいるだろうが、まあ、それは好みの問題である。いずれもかっこいい。

賢者は敵から多くを学ぶ」というセリフが出てくる。ちょっと気障だがこの映画にふさわしいセリフである。

 不満があるとすれば、最終戦の富士スピードウェイの描写が物足りない。日本で撮影してないからそうなるのか。日本バージョンだけでもサービス精神を発揮してくれればよかったのにと思う。

 

 ついでのひとこと

 そうだ、忘れていた。ふたりのその後である。ラウダは1985年までレーサーとして活躍し、その後、実業家に転じて現在も健在である。ハントは1979年に早々と引退した。45歳の時、心筋梗塞で亡くなった。これも好対照。

 

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