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2014年2月11日 (火)

寅さんの聖地 柴又

 

 

 寅さんの聖地・柴又には行ったことがなかった。友人にその話をしたところ、ヘー、映画好きのオマエが行ってない! 意外だ! そりゃいけない、ぜひ肌で感じるべきだ、オレが案内すると、たちまち聖地巡礼の企画がまとまった。

 先だってのことである。柴又に出かけた。新百合ヶ丘からは遠い。まごまごしていると二時間近くかかる。町屋で京成に乗り換え、高砂経由で柴又に着いた。降りたとたん、下町のにおいが漂ってきた。職人と小商いと年寄りの街というイメージは先入観によるものか。

 駅前に寅さん像、参道には団子屋などが並ぶ。その先が柴又帝釈天。その先を抜けると荒川の堤防とつながる。坂をあがると柴又公園である。

ここから荒川を眺めると、なるほど、ここが柴又と名付けられた理由がわかる。柴又の由来は「嶋又」だそうだ。いまは堤防で固められており、水量も少ないので気づかないが、ここは荒川流域の島だった。かつては洪水の度に川の流れは変わった。土砂が中州をつくり、それが小島となった。この公園もそのひとつ。島はいくつも点在したのだろう。島の間を縫うように水が流れていた。だから嶋又である。

 その小高い島をくり抜いたようなところに「寅さん記念館」がある。公園からはエレベーターで下に降りることもできる。

この記念館が思いがけず良かった。ジオラマも精緻で、展示物も充実している。半日いても飽きないような工夫がしてある。寅さんファミリー(若かりし頃の)を通して昭和のにおいが漂ってくる。昭和レトロ館でもある。ぜひ一度はいかれたらいかがか。

 

 寅さんマニアと言おうか寅さんシリーズにやたら詳しい佐藤利明さんの話を伺ったことがある。この話は『寅さんのことば』にまとめられている。

それによると、寅さんは「ご苦労さん」ということばが好きだったという。口癖といってもよいほどだった。

シリーズ第一作で、さくらと久しぶりに再会したとき、寅さんは「苦労かけたなあ、ご苦労さん」と語りかけている。シリーズ最終作(48作目)では、震災後の神戸でこう語る。「苦労したんだなあ、本当に皆さん ご苦労様でした。」

 へぇー、そうだったのか。知らなかった。「ご苦労さん」が、最初と最後に出てくる。おもしろい話だ。「労働者諸君! ご苦労さん」だけではなかった。

 

 寅さんには名セリフがいくつもある。それを集めた本もある。どのセリフが好きか。私の好みは、このひとことである。

 「俺が芋食って、お前の尻からプッと屁がでるか?

 形而上学的な命題をこれほど簡明に表現したことばはない。

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