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2014年3月15日 (土)

一之輔落語会   キレルご隠居さん

 

 

 ここ数年でもっともブレークした噺家と言えば、春風亭一之輔である。二十一人抜きで真打になり話題を呼んだが、その後も活きのよさと毒を含んだ笑いはますます加速され、まさに旬を感じさせる噺家となっている。

チケットの売れゆきもよい。ミックス寄席(寄席プロダクション)のウェブサイトを見ても、一之輔の独演会は「前売り、予約分で完売いたしました」との表示が多くなっている。人気のほどがうかがえる。チケットのとれない噺家は、志の輔、談春が双璧だが、これに続く勢いである。

 で、今回の「この落語家を聴け!」である。チケットは先行抽選でゲットした。会場が下北沢だから比較的入手しやすい。

広瀬和生さんとのトークをはさんで二席、「短命」と「お見立て」だった。

 いずれもおなじみの噺である。「短命」は察しの悪い男の話。八さんがご隠居さんのところにやってくる。伊勢屋の婿さんが亡くなった、これで三人目と言う。嫁さんは奮いつきたくなるようないい女で最初の婿さんと夫婦仲はよかったが、若死にしてしまった。二番目三番目もそうだった。どうして若死にするのか、八さんは首を傾げるばかり。

ご隠居さんはあれこれ遠まわしに説明して「そりゃ、短命だろう」と言う。八さんは得心がいかない。「指と指がふれあえば、夜することを昼もする。そりゃ短命だろう」と、ご隠居さんがさらに詳しく遠まわしに説明するのだが、八さん、察しが悪い。

 一之輔バージョンでは、ご隠居さんが突然切れる。八さんのあまり察しの悪さに業を煮やし、切れまくる。ここが見せ場である。

 落語はボケとツッコミを一人でやる芸でもある。一之輔は、この一人ボケツッコミが過剰でテンポがいい。ご隠居さんの切れぶりが実にリズミカルで愉快。みごとな芸になっている。

 書きたいことはまだまだあるが、今夜はこのぐらいで。

 

ついでのひとこと

 先だっての当ブログで、五街道雲助の「文七元結」の吾妻橋のシーンが細部にこだわった演出で印象的だと書いた。その雲助師匠が文科省の芸術選奨大臣賞を受賞することになった。どのぐらい立派な賞か知らないけれど、めでたいことには間違いない。

 

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