志ん橋さんの芸 しんゆり寄席
しんゆり寄席にいってきた。二日続けての落語である。次の日もいくと連休三連荘になるが、そうはうまくいかない。
この落語会、川崎北部に住む初音家左橋と桂米多朗がほぼ毎月交互に出演する。何度も聴くとちょっと飽きる。で、時々はパス。ゲスト演者によって聴くことにしている。
今回のゲストは古今亭志ん橋。この師匠、苦労人である。志ん朝に入門したが、三年ほど見習いを続けた。前座以前である。下働きとして、主に志ん生の介護をした。背負って銭湯に連れて行ったり、シモの世話もした。あるとき、志ん生が粗相をした。お尻を洗うのだが、こびりついた大便がうまく洗い落とせない。で、タワシでこすった。「オレは地蔵様じゃない」と志ん生が怒った。これが志ん橋得意のまくらネタである。苦労もネタになるということだ。
志ん橋の、今までで聴いた中では「抜け雀」が印象に残っている。
さて今回、金原亭馬治は「茶の湯」、左橋は「愛宕山」だった。左橋の「愛宕山」は手慣れたものである。山道を登っていく場面があるが、そこでウグイスの鳴き声をやった。指笛、これがうまかった。猫八に教わったのかもしれない。
とりは志ん橋。まくら短めで「抜け雀」だった。ま、得意ネタなんだろうね。たっぷり一時間近くかけてやった。さすがベテラン芸である。観客も、じっくり聴き入っていた。結構でした。
ついでのひとこと
「抜け雀」に登場する絵描きは、親子で師匠と弟子の関係にある。これを立川流の談志と弟子に置き換えてみるのも一興である。つまり親は談志。ものまねでやる。これはうけると思う。
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