園遊会 今上天皇のお気持ち
今日、春の園遊会が開かれた。ソチのメダリスト、羽生選手や葛西選手が招かれていた。
天皇陛下はいつもながら穏やかでにこやかな表情だった。このスタイルを崩すことはない。明治天皇のような厳格さからはほど遠い。写真でしか知らないけど、明治天皇は厳格な感じがする。また、昭和天皇とも雰囲気が違う。
この穏やかさに凄みのようなものを感じる。
天皇は政治的発言をされない。発言が政治に利用されることがあってはならないからで、それは周りも気を遣っている。しかし、そのお気持ちがうっすらと浮かび上がることがある。
十年ほど前のことだったか、園遊会の席で、当時将棋連盟の会長で都の教育委員をしていた米長さんが、国旗掲揚、国歌斉唱を進めていますと発言したことがあった。このとき天皇は、強制はなさらないようにと、にこやかな表情でお答えになった。米長さん、一手ばったり、頓死を食らったかのようにあわてた。
このシーン、テレビで映し出された。天皇は、強制はよくないと思われているのだとわかった。
しかしそれほど騒がれることはなかった。国旗掲揚・国歌斉唱を推進する団体は沈黙した。反対派は喝采したかどうかは知らないけれど、マスコミもさらっと流すだけで済ませた。政治的発言だからとマスコミは騒ぎになることを恐れたのかもしれない。
これだけのことだが、天皇のお気持ちがわかった。
昭和天皇が、生涯でもっとも残念に思われていたのは、戦争を止められなかったことだった。今上天皇のお考えにもそれがあるのだろう。国旗掲揚・国歌斉唱がただちに戦争推進につながるとは思わないけれど、なにごとも強制はやめたほうがよい。
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