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2014年6月27日 (金)

「グランド・ブタペスト・ホテル」 スラップスティック・コメディ

 

 文芸誌「群像」をパラパラめくっていたら、蓮實重彦の「グランド・ブタペスト・ホテル」の映画評を見つけた。

 評価は高い。タイトルを褒めている。タイトルを褒めてどうなのよと言いたいけれど、まあ、いいでしょ。経験でいうと、この人とおすぎがベタ褒めする映画にろくなものはない。映画観の違いだろうけど、とくに蓮實重彦の文章は眉につばをつけて読まなければならない。おすぎの好みはだいたいわかる。とりわけ美少年ものの評価が高い。

 といったことはさておき、あらすじ。

 高原にあるグランド・ブタペスト・ホテルは最高級のリゾートホテル。時代は1930年代、ヨーロッパがつかの間の平和を楽しんでいる時代である。グスタヴはそのホテルの名物コンシェルジェであったが、客の伯爵夫人が殺され、容疑者にさせられてしまう。逃げるが捕まって監獄に収容されてしまう。しかし脱獄して弟子のベルボーイのゼロと一緒に逃亡する。コンシェルジェの秘密結社の助けを借りて、逃げ回る一方、事件の謎に挑む。

 そういう物語であるが、内容は複雑というか、けっこう凝っている。現代と60年代、30年代の三つの時代が描かれる。

 凝っているけれど、要はスラップスティック・コメディである。サイレント時代のハロルド・ロイドやチャールズ・チャップリンのドタバタ・コメディの伝統を引き継いでいる。懐かしいというか古臭いというか、あの逃げ回る喜劇映画を思い出していただければよい。画面展開も早い。

ケーブルカーのシーンがあるが、これがおもちゃのようにチャチな作りで、これも古い時代を思い出させる。わざわざそういう作りにしている。雪山をそりで滑降するシーンは007シリーズを連想させるが、迫力はない。迫力がないのは懐かしさを引き出すための演出であろう。

チャチでありながら、美術はいい。グスタヴは絵画を持ち出すのだが、それの代わりに裸婦の絵を架け替えておく。レスビアンを描いた絵で、「アデル、ブルーは熱い色」を思い出してしまった。持ち出したものより、こちらの絵の方がすてきじゃないか、と思ったりもした。

 

この映画、アメリカではずいぶん人気になったそうだが、日本では、どうなのだろうか。

 

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