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2014年6月19日 (木)

 橘家文左衛門 なんど聴いてもおもしろい

 橘家文左衛門落語会(「この落語家を聴け!」 北沢タウンホール)に行ってきた。

 文左衛門の才能を感じたのは「道灌」を聴いたときだった。この演目は前座噺で誰がやっても同じようなものだが、文左衛門の「道灌」は違っていた。改作しているわけではないが、一味違う。おもしろい。言い回しが上手い。それ以降、文左衛門を聴くようになった。強面(顔つきがふてぶてしい)にもかかわらず、女性の描写がいい。たとえば「転宅」。お妾さんの声、しぐさがなんとも色っぽい。

 この落語会では、広瀬和生さんとのトークがある。広瀬さんは、冒頭、寄席には独演会やホール落語とは違う魅力がある、ただしそれは演者次第、と語っていた。まあ、当然である。これは当日のチラシにも書いてあるが、「軽い滑稽噺を何度でも楽しく聞かせてくれる噺家がいてこそ、寄席は楽しい」。その噺家として柳亭市馬柳家喜多八とならんで文左衛門の名を挙げている。この人選も同感である。

 さて、今回の演目。

 「転宅」  「子別れ 下」 

 先に挙げた「転宅」だった。お妾さんの色っぽさと泥棒の間抜けさが愉快である。何度聴いても面白い。ただ、サゲを間違えた。「義太夫だけに騙りがうまい」とやるところを度忘れしたようである。まあ、これも愛嬌、弘法も筆の誤りとしておこう。

「子別れ 下」は先週、春風亭一之輔を聴いたばかりである。どちらもおもしろかったが、一之輔の方はキレを強く感じる。文左衛門はコクである。一之輔の持ち味は鋭いボケ・ツッコミ。それに対し、文左衛門はシットリ系の味わい。人情噺は文左衛門に軍配をあげたい。

文左衛門は立川談春とならんで悪相である。強面を剥き出しにしたツッコミは本当に怖い。でありながら、女の優しさを表現したら菊之丞と並ぶ。そして「転宅」に登場する泥棒の間抜け具合がまたいい。

文左衛門はますます円熟してきた。もう一度言う。なんど聴いてもおもしろい。

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