格差社会、泣いてたまるか
「上を向いたらキリがない。下を向いたらアトがない」
ワーキングプアの歌ではない。いや。そうかもしれない。
1960年代の人気テレビドラマ「泣いてたまるか」の主題歌の一節である。渥美清が歌った。のちに木村充揮がカバーしている。例のダミ声で。
ワーキングプアはなかなかそこから抜け出せない。働けど働けど・・・である。むかしからワーキングプアはいた。いたけれど数は少なかった。ちかごろは、それがより顕著になり、また増えている。いいことではないが、今後もずっと続くようである。
先日、OECD(経済協力開発機構)は、先進国では労働者の所得格差が広がるとの予測を発表した。
今後50年間で、上位10パーセントの層の人の所得と下位10パーセントを比較した場合、日本では2.97倍(2010年)だったものが、4.09倍(2060年)にまで広がるとしている。トップテンの金持ちとボトムテンの貧乏人の格差がますます顕著になるということだ。
高学歴でそれなりの技術や能力のある人は高収入となるが、それ以外は満足な収入が得られず、なおかつブラック企業のような業態で働かざるをえないようになる。
アメリカではこの格差すでに4倍以上あり、富む人は富み、そうでない人は貧乏から脱することはできない状態でいる。1パーセントの富裕層がアメリカの資産の40パーセント以上を占めているといわれるが、その差はさらに広がる傾向にある。
これがいいわけがない。富裕層ではない99パーセントの層からの反発もでているが、社会改革に至るまでの運動にはなっていない。
しかし、泣いてたまるか、である。号泣したって、事態が改善されるわけではない。 「泣いてたまるか」のそのあとの歌詞は「さじをなげるは まだまだ早い。五分の魂・・・」と続く。
格差を少しでも縮めていく政策をぜひ役人や議員さんには期待したい。号泣している場合ではない。
ついでのひとこと
「泣いてたまるか」が入っている木村充揮(憂歌団)と近藤房之助のCD、「男唄~昭和讃歩~」を時々聴いている。このCDは文句なくお薦めである。しびれまっせ!
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