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2014年7月18日 (金)

黒川博行 直木賞受賞 ひとことふたこと

 

  黒川博行が直木賞を受賞した。予想どおりではなく、期待どおりの受賞である。
  疫病神シリーズの『破門』については、当ブログ(6月23日付)で紹介した。凶暴なヤクザである桑原と軟弱な建設コンサルタントである二宮の迷コンビを描いている。桑原の、横山やすしのようなセリフがなんとも愉快である。
 シリーズ第一作の『疫病神』のなかにこんなセリフがある。
「その二枚舌を引き抜いて、へし折った手足に巻きつけたろか」
 こういうセリフが随所に出てくる。どつき漫才のようなやりとりを楽しむ小説でもある。

 このシリーズではないが、前回候補となった『悪果』の中に、警察が賭博場に踏み込んで賭博組織のメンバーや客を一網打尽にするシーンがある。綿密な逮捕シミュレーションを行い、賭博現場に踏み込み、逮捕するまでを詳細に描いている。
 綿密な取材により描いているから、実際もそうなのだろう。警察組織の逮捕態勢ってすごいんだなと感心した覚えがある。
 先だって、京都府警が70人体制で賭博場に踏み込んだという新聞記事があった。小説と同じである。ところが逮捕できたのはごくわずか、確か二人だけであった。大半は床にあけた穴から下の階(三階)に移動し、逃げ出してしまっていた。
 京都府警の大失態である。70人もいたのに・・・。「下の階に逃げる、そのぐらいのこと考えとかんか。スポンジ頭が! オマエら、税金泥棒や」と言われてもしょうがないようなしくじりである。
 その後、どうなったかは知らない。新聞にも後追い記事は見かけない。そのままか。現行犯逮捕じゃないと立証できないから逮捕もできないということだろう。


 それはともかくとして、黒川博行の『疫病神』シリーズはお薦めです。

 

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