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2014年7月30日 (水)

岩瀬の投球術  最後は1点差

 

ドラゴンズの岩瀬のセーブが400を超えた。前人未踏のすごい記録である。

 このところ年齢による衰えもあり、ドラゴンズファンとしてはヒヤヒヤすることも多いのだが、率直に祝福したい。

 かつてコーチを務めた権藤博さんが昨日(7/29)の日経新聞に手記を寄せている。これが素人には思いつかない、いかにもプロ的なコメントであった。かいつまんで言うとつぎのようになる。

 岩瀬の強さは臆病さにある。往年のスピードはなくなっているのを一種の開き直りでカバーしている。1点差がついていればよい。3点リードがあれば2点とられてもかまわない。だから打たれそうな打者とは勝負しない。きわどく攻め、四球でかわしてもいい。単打でもよい。打ちとれそうな打者と勝負する。並の投手は一か八かの勝負をして打たれる。そこが違う。

 なるほどそういうことか。0点で抑えたときも、ランナーが二人ぐらいでていることが多い。三者凡退ということはきわめて少なくなっている。昨夜も9回ツーアウト、ランナーなしから登板し、ヒットを打たれている。後続を打ちとってゲームセットにしているけれど、ピシャリとはいかない。あと一人だから前の投手である又吉にそのまま投げさせればよいとも思うのだが、そういうものでもないらしい。

かつては三者凡退があたりまえだったが、得意のスライダーも決まらなくなった。カミソリがナマクラになっている。もはやレッドソックスの上原のようにはいかない。その自覚が打者を出してもかまわない、最後に1点差がついていればよいという開き直りの投手術となっている。

 ファンとしてはヒヤヒヤやきもきしながら観戦することになって心臓に悪いのだが、綱渡りであっても岩瀬は冷静に対処しているのだ。

そういう目で岩瀬の投手術を見てみようと思う。でも、なあ、やはりランナーを出してしまうと、こちらはハラハラドキドキなのだ。冷静には見ていられない。ファンは三者凡退を願っている。

 

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