ファックユーマネー 宝くじ、買ってますか?
宝くじを買わなくなってから久しい。
買うのをやめたのは、当籤して何億円もの金が手には入ったところで使い道がないことに気づいたからである。
ある程度の歳になると大金はいらない。借金はないし、大金の掛かるような道楽もしない。子孫に美田を残す気はさらさらない。いまさら起業でもない。大金が入っても、その使い道に困るなら、宝くじを買う意味がない。
ファックユーマネーということばがある。ファック・ユー! である。「やってられない! こんな会社 やめてやる」と辞表を上司にたたきつける。ときどきドラマに出てくる。かっこいい。
かっこいいけど、経済的ゆとりがないと、明日から路頭に迷うことになる。辞めてもやっていけるだけの大金があるから、かっこよく辞表をたたきつけることができるのである。その大金をファックユーマネーという。
多くのサラリーマンはファックユーマネーを夢見て宝くじを買っている。だから宝くじなんてやめなさい、とはいわない。それを夢見て、ま、宮仕えに励んでくださいというしかない。
落語に富くじを扱ったものがいくつかある。そのひとつに「水屋の富」がある。富くじにあたって八百両を手にする。手にしたものの大金の隠し場所に苦労する。盗まれてはいけない。あれやこれや悩んで床下につるして隠すのだが、いつ盗まれるか気が気ではない。ちゃんとあるか、毎日確かめなければならない。夜も眠れないほどである。
ある日、家に帰ると金はなかった。盗まれていた。「ああ、これでぐっすり眠れる」
というオチ。ま、そんなものだろうな。
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