金星や火星は二酸化炭素でいっぱい
戦犯、NASA(アメリカ航空宇宙局)は、火星に打ち上げる新たな無人探索車に、大気中の二酸化炭素を分解して酸素をつくる実験装置を搭載すると発表した(7/31)。
酸素を宇宙での居住空間に提供するとか宇宙船の燃料にするとかの可能性を探るのが目的だそうだ。
火星の大気は非常に薄いが、主成分は二酸化炭素である。大気のおよそ95パーセントを占める。同じ惑星で地球に近い金星も、大気の96パーセントを二酸化炭素が占める。地球とはまったく違う。地球の大気はほとんどが窒素と酸素で、二酸化炭素は0.03パーセントにすぎない。
なぜ少ないのか。なぜ火星や金星と異なるのか。ちょっと調べてみた。
およそ二十億年前、突然変異で光合成をする微生物が誕生した。ラン藻というバクテリアである。これが光合成により二酸化炭素を分解して酸素を放出しするようになったというのだ。つまり、二酸化炭素が減り、酸素が増えた。
もうひとつ。酸性の雨が海に流れ込み、これと化学反応した二酸化炭素が石灰岩となって海に沈殿することになった。二酸化炭素は石灰岩に姿を変えたのである。生命体も死ぬと化石になり石灰質を残す。
要するに、地球では火星や金星と違って、二酸化炭素が減少するような環境変化、化学変化が起きたということである。
ふーん、なるほど、である。
地球上で植物が優位となれば光合成が活発になる。植物が増えると酸素は増え、二酸化炭素は減る。ところが地球は二酸化炭素が増加傾向にある。これは言い古された表現であるが、化石燃料を使う文明社会の結果であり、それが地球温暖化を招いている。産業革命前は大気中の二酸化炭素は300PPM以下だったものが、現在では300PPMを越えている。それがどの程度地球温暖化に影響するかは諸説あるようだが、まあ、温暖化の要因の一つであること間違いない。
巨大ハリケーン、砂嵐、大型台風などは地球温暖化による海水温の上昇が原因と言われている。
結論めいたことを言うと、温暖化対策には、二酸化炭素を出さないような取組みのほか、二酸化炭素を吸収する、つまり植物の光合成を活発にする策も有効ということである。つまり、森林を増やす、熱帯雨林を再生するとか。
イギリスは森林を伐採して国土のほとんどをゴルフ場のような牧草地にしてしまっている。眺めは美しいが、森林伐採の結果である。あれでは光合成は大いに減じてしまっている。
ゴルフ場も森林に戻した方がいいのだが、ま、ゴルフファンは反対だろうな。
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