「ぼくたちの家族」 へんな家族だ
アルテリオ映像館で「ぼくたちの家族」を観てきた。家族の一人が病気になり、それをきっかけに、家族が絆を深めていく、といったたぐいの映画は、はっきり言って観たくない。
ふつうはこの手の映画は観ないのだが、監督が「川の底からこんにちは」「舟を編む」の石井裕也である。絆を全面に押し出した単純な映画には仕上げていないだろうと思い、足を運んだ。
長塚京三、原田美枝子、妻夫木聡、池松壮亮が家族を演じる。母親は物忘れなどをするようになり、病院で精密検査を受ける。その結果、脳腫瘍で余命一週間と診断される。
夫はオロオロするだけ。長男は悩みを抱え込むタイプで、自分の家庭(妊娠中の妻がいる)とのはざまで動揺する。次男(大学生)は言いたいことを言うだけ。病院からは手の施しようがないと退院を迫られる。で、悩んだ末、目覚めたかのごとく兄弟は再検査と治療をうけるべく病院を探し回る。
この家族、経済的にも苦境にあることが明らかになっていく。夫の事業は低迷している。会社の借入金は多額になっており、家のローンもある。妻は隠れて消費者金融から何百万も借りている。
ワー、みじめー、なんだけど、どうも浮世離れしたところが気になる。借金があってもさして動揺するところがない。妻は平気でローンを借り、次男は母親に小遣いをせびる。切実感がない。ま、映画の中でのことだから、こういう家族はあるのかもしれないけれど、どうも緊迫感が伝わってこないところが気になる。
ピンピンしているのに余命一週間ってのもホンマかいなである。たぶん原作がそうなっているからだろうが、観客が納得できるような設定に変えてもよかったと思う。
そうではあるけれど、家族それぞれの個性がきちんと表現されている。上手い役者をそろえている。その演技が見どころである。
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