『談春 古往今来』
立川談春は、もっともチケットが取れない噺家である。とりわけ独演会がとれない。だからあまり聴く機会がなくなっている。落語以外ではテレビドラマ「ルーズベルト・ゲーム」に出演していた。といっても私は観ていない。社長役。強面の悪役らしい。ま、談春なら似合うだろうな。ちなみに、立川こしらは談春のことを「チンピラ」と悪口を言っていた。
その談春の本が出た。『談春 古往今来』。『赤めだか』以来のインタビューやエッセイをまとめたもの。悪く言えば寄せ集めである。
一読して、談志本ではないかと思ってしまうほど。談志はお釈迦様であって、その手のひらの上で談春は落語を語っている。談春のDNAのほとんどが談志から受け継いでいる。読者がそう感じるのではなく、談春自身がそう確信している
著名人で談春の熱烈なファンがいる。亡くなった勘三郎がそうだった。評論家の福田和也、歌手のさだまさしもそうであり、その対談が載せられている。二人は談春のプロデューサー的役割を果たしてきたことがよくわかる。
内容は飛ばし、巻末に談春独演会での演目が一覧になっている。落語ファン、とりわけ談春ファンからすると興味深いのではないか。これまでどんな演目をやってきたか、近ごろの動向もよくわかる。
演目を数えてみた。ここ三年、談志が亡くなってからを調べてみると、かぼちゃ屋がトップであった。続いて、宮戸川、らくだと続く。この後は、妾馬、芝浜、人情八百屋、粗忽の使者、替わり目といったところ。
独演会だけのデータだから別の会で何をやったかはわからないが、おおよその傾向はわかる。九州吹き戻しなどもっとやっていると思っていたが、そうでもなかった。
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