「じゅげむ」 吉笑、笑二、笑笑の会
きのう、成城ホールで開催される若手落語会「そうだ じゅげむ きこう」に行ってきた。ひさしぶりである。
今回は、立川談笑の弟子、吉笑、笑二、笑笑の三人会。笑二が二つ目に昇進、その記念一門会というわけだ。笑笑(ショウショウではなくワラワラ。居酒屋か、オマエは)は入門して一年ちょっとの前座。
こう名前を書くと、笑・笑・笑ばかり出てくる。笑う門には、である。おめでたい。
演目はつぎのとおり。
笑笑 道具や
笑二 饅頭こわい
吉笑 ぞおん
笑二 天狗裁き
吉笑の「ぞおん」は創作落語。プロのスポーツ選手が、絶好調でボールが止まって見えたとか、思い通りにいく、いわばツボにはまった状態を「ゾーンに入る」と言うらしい。ゾーンにそんな表現があるのを初めて知った。そのソーンを落語らしく番頭さんや定吉を登場させ、関西弁でやる。
マクラからやけに早口。開口一番の笑笑が前座らしくなく、遅いテンポでやったのにくらべると、超スピードである。焦り気味? ゾーンに入るという表現を説明した後で、本筋に入った。
初めて聴いた。シュールな笑いというか、異次元ナンセンス落語である。なんという題名か、たぶんゾーンなんとかになるのかと思っていたが、あとで確認したら「ぞおん」だった。当たらずとも遠からずか。
番頭さんがペペペペと超早口でしゃべるのはゾーンに入った状態を指すが、内容を説明し出すと長くなるし、聴かなきゃわからないので、やめておく。
笑二は二つ目になったばかりだが、評価は高い。並の二つ目ではない。古典噺も忠実にやるのではなく、工夫を凝らしている。これは三人に共通するのだが、古典の改作に力を注ぐ立川談笑の弟子らしい。お馴染みの噺を同じように聴くならライブには行きたくない。同じ噺でも、いつもとちがって工夫があれば、またライブで聴いてみようという気になる。笑二はそういう噺家になる可能性がある。
ということで、この「じゅげむ」、入場料は千円と安い。そのわりに客数は少ない。
ついでのひとこと
「ゾーンに入る」とは、天から女神(ミューズ)が降りてくるような状態を指す。ドラッグをやって陶酔状態になる、あの状態と表現すると、いささか不穏当になる、のだろうな。
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