「あったか落語、ぬくぬく」 いい落語会でした。
昨夜は成城ホール。柳亭市馬、瀧川鯉昇、三遊亭兼好による三人会「あったか落語、ぬくぬく」は今回で7回目である。この落語会だけは一度も欠かしたことがない。心地よい気分になれる落語会で、気に入っている。その割には、あったか落語だったか、ぬくぬく落語だったかタイトルがわからなくなる。
開口一番は鯉昇の12番目の弟子、瀧川鯉毛(こいけ)。濃い毛? 師匠が名づけた。14人弟子がいるとネーミングもテキトーになってくる。鯉津、鯉和、鯉○、鯉ん・・・といった具合。師匠が禿頭だから鯉毛と名付けた、かどうかは知らない。
演目を紹介しておく。この三人は基本的に人情噺はやらない。独断だが、そこがいいところである。
市馬・・・三十石
兼好・・・干物箱
鯉昇・・・二番煎じ
市馬はことし「三十石」をよくやる。国立演芸場で聴いた。落語研究会でもやった。落語研究会での高座はいずれTBS(地上波かBS)で放送されるはずである。その際はぜひビデオ予約(深夜だからね)するようお勧めする。絶品ですよ。もっとも放送はかなり先になるけど。
「三十石」については当ブログ(7月14日)で書いたのでそれをご覧いただきたい。朗々と船頭唄を歌うところが聴きどころである。
兼好の「干物箱」は若旦那もの。聴く機会は少ない。五街道雲助のを聴いたことがある。雲助のそれは重厚な感じがするが、兼好のは軽やかで弾んでいる。ひたすら明るく笑わせる。今回の「干物箱」は活きがよかった。素晴らしい出来だった。
鯉昇の「二番煎じ」もすごかった。もともと爆笑系の噺だが、さらに鯉昇流のおかしみが加わって大いに笑わせてもらった。
今回の「あったか落語」は今年のベスト高座になるかもしれない。それほど面白かった。言っちゃわるいが、「笑点」のメンバーも落語ではこの三人にはかなわない。
ついでひとこと
マクラもおもしろかった。
市馬会長は紅白の話題。北島三郎が抜けると・・・・出番がまわってくるかもしれないと笑わせる。可能性はゼロではない。三橋美智也メロディを紅白で歌ったら面白いだろうな。
兼好さんは小渕ネタ。ワインぐらいいいじゃないですか、ウチワはダメですけど、と世相を皮肉る。
鯉昇さんはノーベル賞ネタ。天野さんは小学校、中学、高校の後輩。同郷、実家も近いのだそうだ。同級生に聞くと、天野さんは中学生の頃から目立っていたという。なにしろ授業中、ちゃんと寝ないでいたから・・・・。鯉昇さんが語ると、とぼけた味わいが増して、抜群に面白いマクラになる。
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