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2014年10月14日 (火)

『ジャーニー・ボーイ』 イザベラ・バードが見た日本

ジャージー・ボーイズではなく、ジャーニー・ボーイである。JR東日本の車内PR誌で本書のことを知った。一年ほど前の新刊(高橋克彦著。朝日新聞出版)である。知っていればもっと早く読んでいたのに。

明治の初め、イザベラ・バードというイギリス人女性が東北や北海道を旅した。バードについては、渡辺京二の『逝きし世の面影』に紹介されている。その旅行記『日本奥地紀行』は読んでいないので、薄っぺらな知識しかないのだけれど、なかなか勇敢で知性あふれる女性である。

そのバードに同行した通訳兼ガイドの伊藤鶴吉の視点で描いた小説である。

 

 伊藤は英会話ができ、腕っぷしも強いので、バードの旅に同行する。バードはありのままの日本を見たいと、わざわざ脇道を行くような旅を求める。ちゃんとした宿屋ではなく、蚤虱が這うような家に泊まることになるので、やめておいたほうがいいと伊藤が言うが、きかない。馬も尻ごむような山道を行くことになる。バードの頑固で言いたい放題のわがままのうんざりしつつも、伊藤はバードの純粋な人柄に納得する。バードの視点は『逝きし世の面影』のとおりである。

 以下はフィクションであるが、バードを付け狙う連中が出没する。反政府活動を進める輩で、外国人を傷つければ政府の威信は堕ちる。そこが狙いである。護衛は伊藤だけでなく、政府から雇われた大友他数名の人物もいる。こちらはバートに悟られないよう陰で守りを固める。

 明治の初めは混乱期である。武士が消滅した時代であるが、その残滓もある。それをうまく描き込んでいる。

 本書のとりわけ面白いところは、伊藤とバードのやりとりである。旅の不快さや日本人のおかしな点をバードは伊藤にぶつける。伊藤はそれを認めつつも反論する。ああ言えばこう言う。反論しながらも、互いに相手を認めていく。

 ラストは清々しい。

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