「談志まつり」 あれから三年、いや三十年
京都に行く前に「談志まつり」に出掛けたと前回のブログに書いた。それを書かなくっちゃ。
三日間、4回公演の内、日曜の昼席を聴いた。この昼席には立川志の輔が出る、亭市馬がゲスト出演する。その他の演者は、立川らく朝、立川志ら乃、立川談之助、松元ヒロ、そして立川談四楼。
志の輔の「バールのようなもの」を聴くのは久しぶりである。清水義範の小説を落語にしたもので、日本語表現のあいまいさをおもしろおかしく展開させた傑作爆笑落語である。
バールのようなものとは何か、バールではないのかといったところから「のようなもの」を俎上に乗せていく。女のようなものは女ではない、妾のようなものは妾ではないのかと集合論的ことばの世界に引きずり込んでいく。これが志の輔ワールドである。何度聴いてもおもしろい。
市馬の「掛け取り」も何度聴いてもおもしろい。市馬がブレークした演目である。何人もの「掛け取り」を聴いているが、市馬のものが他を大きく引き離しておもしろい。
大みそかにやってくる借金取りをうまく追い返すはなし。さまざまな借金取りがやってくるが、金は返さず、相手を気持ちよくさせて帰ってもらう。狂歌好きには狂歌で、相撲好きには相撲話で、という具合。この噺には三河萬歳などいくつかのバージョンがあるが、今回は三橋美智也バージョン。
三橋美智也ファンの掛け取りを、「赤い夕陽の故郷」「古城」「星屑の街」などのさわりを歌って気持ちよくさせる。美声自慢の市馬ならではの芸である。何度聴いても抱腹絶倒。
この二人の芸を聴けたので大満足。
談之助が「立川流騒動記」をやった。同名の本も出している。トリは談四楼の「明烏」。三時間たっぷり。充実した落語会でした。
立川流創設から30年になるという。そんなに経ったのかと思う。
ついでのひとこと
談志が亡くなって3年。その思い出ばなしだけで客受けする。それだけすごいと言うことか。
談志の脛をかじって・・・・
立川流 談志のあらで 飯を食い
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