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2015年1月10日 (土)

こしらは半農半落?

 

  先月に続いて、またまた立川こしら。落語はいまひとつなのに、妙に魅力がある。今回は広瀬和生さんとのトークつき。成城ホールはけっこうな入り、休業効果か、以前なら客席はそれほど埋まらなかったはずだ。

 今回はなぜ半年間休業したのかを広瀬さんとのトークで明らかにする。

落語では真打になったし、それ以外にもIT関連の仕事などをやってきて、そこそこうまくいった。やりつくした感があったので、農業に手を出してみたのだそうだ。で、西伊豆の松崎で、コメ作りや養蜂をやった。さらにホテルで下足(スリッパ拭き)などもやって働いたが、金にはならなかった。半年たったので、落語に復帰した。これからも、暇を見て松崎にいって農業は続けるということである。

 若いのに「やりつくした感」というのは、人生をなめとんのか! と言いたいところだが、こしららしいともいえる。ふつうの噺家の枠にはおさまりきらないのがこしらである。これからは半農半落ってことだ。

 

肝心の落語の方は、「だくだく」と「包丁」。

「だくだく」はオーソドックスだったが、「包丁」は新作といえるような内容だった。

女二人が久しぶりに会ったという設定。どんな噺なのかさっぱりわからない。古典噺ではなく新作かと思っていたら、刀鍛冶とか包丁が出てくる。なんだか「包丁」臭い。「改・包丁」かもしれない。

本来「包丁」は男二人が芝居を打って、女を追い出そうとする噺で、円生が得意とした。いまは談春がよくやる。この男女をひっくり返した。なるほど、こういう設定もありか。

「包丁」の改作と思うと、すんなり理解できる。で、オチ。出戻ってきた男が、「包丁は魚屋に返す」と答えるのが本来のオチだが、それを変えた。女だから、「包丁をもって花嫁修業にいってくる」とやった。うまいオチである。見事、着地成功。

 

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